スピード感が違う。イーロン・マスクを競合メーカーが恐れる理由

 

自動運転技術でトップを走るテスラですが、CEOのイーロン・マスクの「スマホでテスラ車を遠隔操作できるアップデートを6週間後に提供する」とのツイートが大きな話題となっています。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著者で世界的エンジニアの中島聡さんが、競合他社にとってテスラが脅威である理由を明示。さらにアップデートのプロセスすらエンターテイメントにしてしまう同社のスピード感やカルチャーを高く評価しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2018年11月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじまさとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

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つい先日、ようやく本当の意味での自動運転機能をアップデートで提供してくれたテスラですが、それに続いて、Summonの機能をさらに強化して、スマートフォンをリモコンのように使ってテスラを遠隔操縦したり、駐車場で「ここまで迎えに来いと命令できるなどを可能にするアップデートを6週間後に提供するとイーロン・マスクがツイートしたため、それが話題を呼んでいます。

テスラが他の自動車メーカーにとって脅威なのは、こんな機能を数週間ごとに提供してくるというスピード感は圧倒的だし、それをCEOがリリース前にツイートで予告してしまうカルチャーです。

普通の自動車メーカーは、基本的に機能アップは2年ごとのモデルチェンジでしか行わないし、どうしても必要なアップデートは、ディーラーにお金が落ちる形でしか出来ないというジレンマを抱えています。

私は2年ほど前に、「テスラは他の自動車メーカーの2~3年先を走っている」と指摘しましたが、その差が縮まったとは思えないし、これからも縮まるとは思えない理由は、こんなところにあります。

2016年末に購入した私のモデル Xは、いまだに進化を続けており、どのメーカーの2018年モデルよりも進んだ自動運転機能を持っています。

イーロン・マスクは、2016年末以降に発売されたHW2を搭載したモデルに関しては、レベル4の自動運転機能を提供すると宣言しており、万が一ハードウェア機能が不十分だった場合には、ハードウェアのアップデートも無償ですると約束しています。

本当の意味でのレベル4の実現までには、まだしばらくはかかると思いますが、このように少しづつアップデートを提供してもらうのも、そのプロセスそのものがエンターテイメントです。

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