不思議なことに、当時の法令ではホースの太さとともにホースをつなぐための金具の方式が、ねじ込み式とはめ込み式のふた通り定められており、両者をつなぐためには媒介金具が必要とされていました。
神戸の災害現場に駆け付けた消防士たちは、自分たちが使っているホースの方式が全国統一だと信じ込んでいたものですから、パニックに陥ったのはいうまでもありません。媒介金具をなくしたり、あっても足りないなど惨憺たる有様でした。神戸市の北隣の三田市の器具では神戸市の消火栓を開けられなかったことなど、忘れられない光景です。
原因が、市町村単位になっている消防組織の在り方にあるのは明らかです。問題の克服には少なくとも警察のように都道府県単位にする必要があることは言うまでもありません。磨き立てられた消防車両の行進を眺めながら、阪神・淡路大震災の教訓もどこ吹く風の姿に、腹が立ってたまりませんでした。(小川和久)
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