生かされない震災の教訓。消防組織は国民の生命財産を守る気なし

 

不思議なことに、当時の法令ではホースの太さとともにホースをつなぐための金具の方式が、ねじ込み式とはめ込み式のふた通り定められており、両者をつなぐためには媒介金具が必要とされていました。

神戸の災害現場に駆け付けた消防士たちは、自分たちが使っているホースの方式が全国統一だと信じ込んでいたものですから、パニックに陥ったのはいうまでもありません。媒介金具をなくしたり、あっても足りないなど惨憺たる有様でした。神戸市の北隣の三田市の器具では神戸市の消火栓を開けられなかったことなど、忘れられない光景です。

原因が、市町村単位になっている消防組織の在り方にあるのは明らかです。問題の克服には少なくとも警察のように都道府県単位にする必要があることは言うまでもありません。磨き立てられた消防車両の行進を眺めながら、阪神・淡路大震災の教訓もどこ吹く風の姿に、腹が立ってたまりませんでした。(小川和久)

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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