トランプ大統領に教えたい、どうぶつしょうぎで付けるコミュ能力

shutterstock_737994433
 

学校でも職場でも、自分のことばかりを優先していては、周りとの関係が悪化するのは目に見えています。逆に周囲の人を尊重して行動すれば、自然とコミュニケーションも良好になって行くものです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』のテーマは「グッドコミュニケーション」。著者で現役教師でもある松尾英明さんが、ゲーム「どうぶつしょうぎ」から得た気付きをもとに、人生で大切な考え方を共有してくださっています。

人生で大切な「グッドコミュニケーション」

娘と「どうぶつしょうぎ」をやっていての気付き。

「どうぶつしょうぎ」をご存知だろうか。縦6マス×横3マスの中をそれぞれ4駒ずつで行う簡易版の将棋である。王であるライオンを取るか、相手の最終ラインまで自分の王を進めた方が勝ちという、単純なルールながら奥深いゲームである。

小学生の娘は、毎度このゲームで私に勝てない。毎度勝てない勝負というのは、つまらないものである。考えさせてもわからないままなので、ここはアドバイスをした。

要は、王のことばかり考えているからいけない。王というのは周りがいてこその王であり力を発揮できる。一番弱いひよこ(通常の将棋の「歩」)を大事にすること。簡単にキリンやゾウ(「飛車」「角」の動きで1マスずつ動ける駒)を取らせないこと。手駒を犠牲にする場合、代わりに確実に取り返せる状態にすること。ここの意識が抜けているから、勝てないのだと教えた。

どれも、当たり前のことである。そしてこれは、人生全般についてもいえる。要は、自分のことばかり考えているからうまくいかない。周りをどう大切に扱っているか。自分ばかりが生き残ればいいという考えは結局我が身を滅ぼす

国同士の関係にもいえることである。先日のセミナーで、講師の尾形英亮さんが「ヨーロッパの人々は、基本的にグッドコミュニケーション。なぜなら、広く地続きだから」という話をされていた。つまり、周りに自分は敵ではないと意思を伝え良い関係を築ける能力がないと、生き残れないからである。

クラスの子どもにも当てはまる。クラスで本当に気持ちよく生きていきたいならば、自分のことばかり優先して考えていては成り立たない。自分がやれることはさっさと済ませる。その上で、仲間を思いやり困っていたら任せてと助ける。そういう「グッドコミュニケーション」が成立する学級でない限り、結局成員の全員が苦しむ羽目になる。

「どうぶつしょうぎ」の話なのだが、生きる上での根本・本質であると考えた。自分の人生の王様として生きるなら、周りの人々をいかに大切にするかが鍵である。

image by: Shutterstock.com

松尾英明この著者の記事一覧

『まぐまぐ大賞2014[無料部門]教育・研究』の大賞受賞メルマガ。実践例を通して、教育観を磨きながら、具体的な手法にもふれていきます。「教育を志事にする」を信条に、真に役立つ実践的な情報だけを厳選してお伝えします。教育関係者を中心に、子どもに関わる全ての方々に向けて発信します。登録・解除ともにすぐできますので、ご一読よろしくお願いいたします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術 』

【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

print
いま読まれてます

  • トランプ大統領に教えたい、どうぶつしょうぎで付けるコミュ能力
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け