不平等の解消を
【毎日】は1面トップに3面の特集「墜ちたカリスマ」、7面と27面社会面にも関連記事。見出しから。
1面
- 日産社長から任意聴取
- 虚偽記載 法人の立件検討
- 提携内容見直し検討
- 日産 ルノーと「不平等」解消
3面
- 統括会社が権力基盤
- ゴーン会長 トップに居座る
- 内部通報 統合に不安か
7面
- ゴーン会長解任先送り
- ルノー 3社結束図る
- COO 暫定トップに
- 日産 中国販売影響も
27面
- レバノンに3億円豪邸
- 月に1度利用 専属コックも
- 海外各地に邸宅 関連会社提供か
- 司法取引「制度の強み発揮」
uttiiの眼
法人としての日産も両罰規定によって立件するという情報は、昨日の《朝日》一面が報じていたもの。ただし、《毎日》は、西川(さいかわ)社長と志賀俊之取締役(前最高執行責任者)への任意での事情聴取が既に行われたという記事になっている。昨日の《朝日》も、5年という期間の長さと年10億円という額の大きさを、法人立件の理由としていたが、今朝の《毎日》は「記載義務がある額(1億円)に比べてもゴーン氏の不正額は極めて大きい」という検察幹部の話を伝えている。これは正常な感覚に思える。
1面にはもう1本記事があり、《朝日》《読売》が書いている「暗闘」についての記事になっている。株を持ち合っているのに日産側にはルノーに対する議決権がない点を、日産とルノーの関係の「不平等」とし、今回の事件をきっかけにして、日産側はその解消を目指すという。
3面の特集は、《朝日》も特集で取り上げたオランダの統括会社についての取材記事。 《朝日》は「玄関まで行ってみた」程度の中身だったが、《毎日》の方はかなり詳しい内容になっている。2002年に設立された「ルノー・日産B・V」は日産とルノーの折半出資で、互いに持ち株比率が過半に満たないので、緩い連合をつなぎとめる役割が期待された事実上の「持ち株会社」と位置づけられている。ここに両社の幹部が集まるのは年に1、2回だそうだが、それでも部品共通化など、成果を誇る記載がホームページ上に上がっていたという。
ただ、この統括会社も事実上牛耳っていたゴーン会長の振る舞いには、日産側の不満が溜まっていたようで、日産取締役会の議決が統括会社によって覆されたことがあり、あるいは「日産の経営資源がルノーに流れている」ということもあったようだ。記事はさらに、その背景に、ゴーン会長に圧力を掛け、ルノーへの発言力を強化してきたフランス政府の存在を指摘している。