知らなきゃ損する、夫の年金受給額を下げた「妻の240ヶ月の壁」

 

ただ、厚生年金に加入できる条件が下がった事で今回の事例のような思わぬデメリットもあります。それは配偶者加給年金に影響してきます。その辺を見ていきましょう。

1.昭和28年6月27日生まれの男性(今は65歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

現在老齢厚生年金90万円、老齢基礎年金65万円が支給されている。また、65歳未満の生計を維持してる妻(昭和34年10月15日生まれの現在59歳)がいるため配偶者加給年金389,800円が老齢厚生年金に加算されている。

配偶者加給年金は妻が65歳になるまで加算されるという事だったから、あと6年間ほどは配偶者加給年金が貰えると思っていた。よって現在の夫の年金総額は

  • 老齢厚生年金90万円+配偶者加給年金389,800円+老齢基礎年金65万円=1,939,800円(月額161,650円)

じゃあ、その妻の年金記録。

2.昭和34年10月15日生まれの妻(今は59歳)

20歳になる昭和54年10月から昭和55年3月までの6ヶ月は短期大学へ行っていた。この期間は国民年金には強制加入ではなく、任意加入だったが加入しなかった。この6ヶ月はカラ期間となる(年金額には反映しないが、年金を貰うための年金受給資格期間の10年に組み込まれるだけ)。

昭和55年4月から昭和58年5月までの38ヶ月は国民年金保険料未納。昭和58(1983)年6月から平成14(2002)年2月までの225ヶ月は厚生年金に加入。この間の平均給与(平均標準報酬月額)は28万円とします。一応、この当時は自営業の前夫と婚姻はしていたが平成18年5月に離婚。

平成14年3月から平成20年6月までの76ヶ月は国民年金保険料未納。平成20年7月に現在の夫(サラリーマンだった)と婚姻し、その夫の扶養に入って国民年金第三号被保険者となる。夫が65歳と4ヶ月になる平成30年10月まで厚生年金に加入していたが(厚生年金は最大70歳までは加入できる)、65歳の前月である平成30年5月までは妻は国民年金第三号被保険者になる事が出来た。


参考

夫は65歳過ぎてからもプラス4ヶ月の期間厚生年金に加入してますが、65歳到達時時点で老齢基礎年金を貰う権利がある人なので、妻は夫が65歳になるまでしか国民年金第三号被保険者になれない。なお、国民年金第三号被保険者になれるのは妻が20歳以上60歳になるまでの期間のみ。


この女性の国民年金第三号被保険者期間は平成20年7月から平成30年5月までの119ヶ月間。その後は、妻が60歳平成31年→新年号元年9月分までになるまでは自分の国民年金保険料を支払わなければならない


参考

国民年金保険料は配偶者の夫が払ってもいい(というか本人が支払えない場合は、世帯主と配偶者は連帯して納付する義務がある)。支払った国民年金保険料は夫の社会保険料控除に使える。


しかし、平成30年6月からパートで厚生年金に加入するようになった。一応60歳(平成31年9月)まで加入するつもり。この16ヶ月間の平均標準報酬額は88,000円とします。

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