騒音汚染対策が始まったヨーロッパ
世界保健機関の試算で、日常的に騒音に曝露し、健康被害を被っている人々は現代世界でかなり多いことがわかっています。子どもたちへの長期間の騒音曝露は知能発達の障害をきたします。睡眠障害、騒音に関連する心筋梗塞と脳卒中、そして騒音による難聴や耳鳴りは蔓延しています。
そんな中、2018年10月10日、世界保健機関ヨーロッパ事務局は新しい騒音ガイドラインを発表しました。そこでは、エビデンスに基づく提言がなされており、高く評価できます。真新しい点をいくつか紹介しましょう。まず、騒音曝露は心筋梗塞や脳卒中、糖尿病の重要な原因の一つであるとはっきり述べたこと。問題となる騒音源として飛行機、鉄道、自動車に加えて、レジャー関連の騒音源を入れたこと。これには、コンサート、ライブハウス、ナイトクラブ、スポーツイベントが含まれています。
世界保健機関ヨーロッパ事務局はまた、騒音評価と健康被害のモニタリングをきちんと行うことを推奨し、基準値以上の騒音を出している騒音源には対策を実施することも含まれています。世界保健機関にはこれを世界に拡大して適用してほしいものです。日本を含むアジア太平洋地域内に位置する私の家の騒音についてもそのようなルールが適用されることを願っています。
参考文献: ●WHO Europe. Noise guideline 2018.
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