【書評】あの感動をもう一度。マニアが綴る、SF映画の「歩き方」

 

船内でくわえタバコしている奴がいる。指揮系統が甘いような気がする。あまり表情を変えない、科学主任のアッシュが変にリードする。船外調査から戻った三人に異変を感じたリプリーが入船を拒むが、アッシュがエアロックを開ける。エイリアンの導入だ。エイリアンの幼体の死骸を船外に捨てるのを拒否する。会社の意向を盾に抵抗する彼は、会社が送り込んだアンドロイドだった。

会社はアッシュに極秘の特別指令を出していた。航路変更、異星生物を調査、標本を採集せよ、生体標本の持ち帰りを最優先、乗員等は場合により放棄してよい、という非情。アッシュは破壊され、残った三人のうちリプリー以外はエイリアンに殺される。脱出艇のリプリーは本船を切り離し、エイリアンごと自爆させた。というストーリーは分かりやすかった。全然怖くなかった……。

公開時のキャッチコピーは「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」だった。だめだ、こりゃ。最初に見た時は怖くて、感動したことは覚えている。スレたSFマニアになった老人は、その後のシリーズも見たがほとんど感心していない。『SF映画の冒険』を読むと、もう一度見てみようと思う。石上三登志、本名・今村昭、電通の制作マンでレナウンイエイエがとくに有名。わたしも編集者時代に何度もTVCMに関する原稿をいただいた。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

日刊デジタルクリエイターズこの著者の記事一覧

デジタルメディアで活躍する現役クリエイターたちのコラムで構成されている本格派。総発行部数約16000! 真のクリエイターを目指している方からデジタルに関わる方まで、すべてに向けて発行中!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】 』

【著者】 日刊デジタルクリエイターズ 【発行周期】 ほぼ日刊

print
いま読まれてます

  • 【書評】あの感動をもう一度。マニアが綴る、SF映画の「歩き方」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け