船内でくわえタバコしている奴がいる。指揮系統が甘いような気がする。あまり表情を変えない、科学主任のアッシュが変にリードする。船外調査から戻った三人に異変を感じたリプリーが入船を拒むが、アッシュがエアロックを開ける。エイリアンの導入だ。エイリアンの幼体の死骸を船外に捨てるのを拒否する。会社の意向を盾に抵抗する彼は、会社が送り込んだアンドロイドだった。
会社はアッシュに極秘の特別指令を出していた。航路変更、異星生物を調査、標本を採集せよ、生体標本の持ち帰りを最優先、乗員等は場合により放棄してよい、という非情。アッシュは破壊され、残った三人のうちリプリー以外はエイリアンに殺される。脱出艇のリプリーは本船を切り離し、エイリアンごと自爆させた。というストーリーは分かりやすかった。全然怖くなかった……。
公開時のキャッチコピーは「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」だった。だめだ、こりゃ。最初に見た時は怖くて、感動したことは覚えている。スレたSFマニアになった老人は、その後のシリーズも見たがほとんど感心していない。『SF映画の冒険』を読むと、もう一度見てみようと思う。石上三登志、本名・今村昭、電通の制作マンで「レナウン」イエイエがとくに有名。わたしも編集者時代に何度もTVCMに関する原稿をいただいた。
編集長 柴田忠男
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