米中貿易戦争の先行きが見えないまま、欧米では中国からのスパイに対しての警戒心が強まっています。すでにアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスは、中国政府と密接な関係にある中国の通信機器大手会社、華為技術の参入を排除する動きを見せています。
中国は、国内をまともに治めることもできない一方で、軍事的に有利になるために世界に混乱を招いています。習近平の向かう先には「平和」が待っていないことは確かでしょう。
米中の貿易経済戦争は、G20アルゼンチン大会で一応、一時休戦という運びになりましたが、アメリカ側は知的財産権の窃盗をやめることを原則としています。しかし、このことについて中国国内では、米中貿易経済戦争に中国が「勝利」したとしか報道されていません。
もともと今回の米中貿易経済戦争は「百年戦争」とさえ予測されていたほど、アメリカは兵糧攻めの戦略で長期戦を覚悟していました。すでにアメリカの戦略は、中国経済に大きな打撃を与えており、米中の景気を見るとかなり大きな効果があったのではないかと思われます。そして、中国経済への影響は、中国の政治にも大きな影響をもたらします。
中国の「一帯一路」は、アメリカの裏庭にまで進出することから、アメリカの対中関係だけでなく、日米欧に至るまで「警戒心」を高める必要があります。
アメリカが、台湾と断交したパナマに対して、パナマ、ドミニカ、エルサルバドルの大使を召還するまでに至ったことから、「代理戦争」としての性格も見られます。
貿易戦争だけでなく、南シナ海をめぐる米仏日印の軍事演習と各国の軍事的な動向を見ても、経済から軍事に至るまでの各国の思惑に変化が見られます。国際秩序を力関係の変化に国際関係がより緊密になり、連動する色彩を強く帯びています。米中以外には、EU、インド、ロシアもけん制し、国際舞台での影響力を駆使しようとする姿勢が見られます。ことに日本は今後、どう出るのか世界も注目していることでしょう。