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「なんとなく」では潰れる。店舗経営のプロが教える価格設定の掟

メニューの価格設定を「なんとなく」決めてしまっている飲食店は注意が必要なようです。「まずは自店のことを掘り下げ考えた客単価を算出すべし」とするのは、飲食店コンサルタントの中西敏弘さん。店舗のコンセプトを考えるなかで「客単価」を重要視しているという中西さんが、自身の無料メルマガ『飲食店経営塾』で、客単価から割り出す価格設定のセオリーを詳しく紹介しています。

「なんとなく」価格を設定していませんか?

店舗コンセプトを考える中で、その中で特に重要なのは「客単価」。価格設定というのは、原価から価格を算出し、気がついたら「客単価いくらになっていた」というのではなく、まずは、自店の「ターゲット利用動機」と照らし合わせ、「いくらぐらい使ってほしいのか?」を決定し、その上で「一品単価」を考えていくのがセオリー。この考え方を簡単に書くと次のとおり。

1.自店でいくら使ってほしいのか?の金額を決める

仮に居酒屋だとして、自店の想定客単価を2,500円だとする。

2.自店の利用シーンを思い描く

仮に、2名(男女)で利用したとする。この2名が、最初にドリンクを頼んで、ファーストオーダーで料理をどれぐらい注文するのかを想定。そして、追加でドリンクを何杯。フードオーダーを追加でどれぐらい追加して欲しいのかを想定。具体的にすると、次のようになる。

3.すべてのオーダー数をカウント

この場合、すべてで10品(フード5品、ドリンク5品)。この10品を想定客単価2,500円×2=5,000円で割る。すると、1品単価は500円。この500円が中心価格帯となる。なので、490円とか、480円が中心の価格帯となり、ここから原価とを照らし合わせて各商品の価格を設定してく。

これが、客単価から1品単価を考えていくセオリー。

また、フード、ドリンクの注文数をみると、5品、5品なので、フード売上比率対ドリンク売上比率は5:5となる。これも自店の業態の利用動機、「食をメインにした業態にしたいのか」「飲みを中心とした業態にしたいのか」で考えていくと、より信ぴょう性が高まる。

このような考えで客単価を考えておくと、営業中、各テーブルの伝票を見て、「まだもう1品ドリンクとれそう」「もう一品フード頼んでもらえるかも」という目安にすることができるし、また、客単価が思ったより低い場合、仮に、2,400円ぐらいだとすると、どの段階(ファースト、セカンド、サード)での注文が取り切れていないのかの検証材料とすることができます。

昔は、価格設定をする場合、原価に3をかけて(原価が大体30%が通常だから)価格を設定するという、“カン”で価格を設定している店がありましたが、これでは、商品に付加価値を付けることは難しい。だからこそ、中心価格帯を設定した上で、お客様目線で、つまり、自分がお客様としてこの商品を頼んだ場合満足する価格なのかどうかを検討し、そして、原価を調整するというのが重要。

どんな仕事にも、「なんとなく」というのはありません。あなたは、「なんとなく」価格を設定していませんか?

image by: Shutterstock.com

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若手飲食店コンサルタントとして、人気急上昇中の飲食店経営コンサルタント、中西敏弘が「売れる」飲食店作りの秘訣を論理的に、そして分かりやすく解説します。

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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