ZARAが持つ「売れる構造」とは
解決のヒントはどこにあるのか。その一つが、同じファストファッションのZARAにありそうだ。ZARAは現在も成長を続けており、売り上げ規模でユニクロさえも上回り、「世界最大手」の座を維持し続けている。ZARAは売れる“構造”を持っているように思える。
ZARAの強さは自社で物流網を抱えていることが大きい。ZARAは本拠地のスペインにある自社の物流施設から世界各国の店舗に空輸も駆使して48時間以内に配送している。こうして短期間で逐次店舗に新商品を投入し、流行の衣料品が常に店頭に並んでいる状態を作り出している。また、機動的に生産量を調整することで店舗の在庫管理を高いレベルでコントロールできており、過剰在庫を回避して在庫処分のセールを抑制することができている。ZARAには売れる仕組みがあり、効率的な運営も実現できている。
これらを支えているのがZARAの物流網だ。他社に物流業務を委託するアパレル企業が少なくないなか、ZARAは自前で物流網を抱えることで機動的な商品供給を可能にし、それにより高い競争力を実現することができている。
ZARAから学べることは多い。ユニクロの柳井正氏がZARAの強さを学ぶためにZARAの本社に行ったとされることが日本経済新聞によって報じられているが、同様に多くのファストファッション企業もZARAから学ぶことがあるのではないか。いずれにせよ、閉塞感が漂い始めているファストファッション各社は新機軸を打ち出すなどして現状を打破する必要があるのではないだろうか。
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image by: 掬茶 [CC BY-SA 4.0], ウィキメディア・コモンズより