パクリだらけ中国の「科学強国化」で、人類は悪夢の時代を迎える

 

一方で、ハイテクを利用した人民監視は、思想や情報の統制もしやすいということで、習近平の独裁体制の強化にも繋がります。もしも中国が最先端科学でリードしたときの問題としては、科学技術の発達が独裁と民衆弾圧を加速させる道具になる危険性があるということです。

もともと中国の科学技術は、先進国から盗み、コピーしてきたものです。中国企業が中国に進出するためには中国企業との合弁が義務付けられ、しかも企業内部には中国共産党の支部の設置が義務付けられています。もちろん、中国側が主導権を握り、海外の技術を自家薬籠中のものとするためです。

また、とくに近年は、国のカネと力を背景とする国営企業を使って海外企業を買収し、技術を根こそぎ自国のものにしてきました。

アメリカはこうした中国のやり方を「強制的な技術移転」だと批判し、現在、中国に対して貿易戦争を仕掛けているわけです。先進国企業の技術をパクり、国家を後ろ盾とする国営企業がその技術を駆使した製品を廉価で海外に売り込むわけですから、先進国にとってはたまったものではありません。

そのいい例が、中国の新幹線でしょう。日本が技術供与したにもかかわらず、中国は「自国の独自技術で開発した」と吹聴し、国際特許まで申請する厚顔ぶりです。技術開発費もかかっていないので、きわめて安価で売り出せることもあり、現在では、海外の高速鉄道建設の入札で、中国は日本の最大のライバルになっています。

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トランプ政権が、習近平の掲げる「中国製造2025」を目の敵にするのも、こうした技術盗用によって、アメリカの知的財産権が侵害されるからです。中国は2025年までに製造業で世界トップになると宣言していますが、先進国が多くの開発費をかけて築いてきた技術を丸パクリして、一気に世界のトップを目指すというのですから、虫のいい話です。

中国の弱点は、独裁者がいなければ、まとまらないということです。そのために習近平は自分の権力強化に動き、「皇帝」となろうとしているわけですが、「一君万民」の皇帝制度は儒教の「天命思想」を理論背景としています。すなわち、「徳のある者が天命により皇帝につく」ということです。これが「易姓革命」の理論となりました。

民主主義のない中国では、現在でもこの「天命思想」によって政権が維持されています。中国共産党が「絶対に正しい」という正当性を死守するため、政権批判、党批判はタブーです。また、正統性を主張するために、「中国共産党が日本帝国主義を打破した」というフィクションをでっち上げています。つまり中国共産党の「徳」を強調して、中国を統治する理由としているわけです。

そして習近平はさらにその上に、自己の神格化と絶対化を進めているのであり、まさしく「徳ある皇帝」になろうとしているわけです。

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