T社社長 「でも、時間単位の年休は、管理も大変そうだなぁ」
新米 「記録はしっかりしていただく必要がありますね。以前、就業規則の作成打合せ時に、初めて年休制度を導入しようとする会社さんが、1日8時間×20日=160時間分のコマを区切った表をいきなり作成して見せていただき、ビックリしたことがあります。時間年休も制限ナシに使えたら良いんでしょうけれど、年の上限は5日ですからね」
T社社長 「え!?時間年休って、上限の取得日数が決められているの?」
新米 「そうなんです。もともと年休っていうのは、労働者の心身の疲労を回復させる、労働力の維持培養を図る、そして、ゆとりある生活を実現するということから生まれた制度なんです。年休の取得率が5割を下回る水準が続いていることから、時間単位による取得の希望を叶えるためにできた制度ではありますが、まとまった1日単位の休暇を取得するという年休制度本来の趣旨とは少々ずれているということで時間単位の年休は、年5日の範囲内と決まっているんですよ」
T社社長 「ほー、それは知らなかった」
新米 「時間単位の年休は、義務ではなく、労使協定も必要ですし、会社の意思がないとできないものです。5日分を超えて与えることは自由にできますが、それは、労基法上の年休にはカウントできませんから、10日の付与義務がある人に10日分全部を時間単位で与えたとなると、別に5日分の年休を与えないといけないことになります」
T社社長 「へぇ~!そうなってしまうんだね~。要するに、労基法では5日までしか認められないからその認められる5日と別途5日の合計をもってでないと、労基法上の10日とはカウントしてくれないってことか。それは、知らなかったから勉強になったよ、危ないところだった」
新米 「それに対して、半日年休は、自由に与えることができます。労使協定も要りません。会社が半日年休制度を導入するかしないかを決めて、就業規則に書けば良いです」
T社社長 「そんな違いがあるんだね」
新米 「はい、ただ、半日年休にはいろんな解釈があってちょっとややこしいので、それはまた説明しますね」
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