3.「独占」とは
自分が話を独占する、まさに、相手に話をさせない状態です。
会社の会議などでよくある風景として、リーダー(特に経営トップ)がまず話を始めます。途中で会議の参加者に意見を求めるものの、意見が出ません。こういったリーダーは、そもそも参加者から意見が出るような雰囲気も作っていないと捉えることができます。
そんな中、参加者から意見が出ないと見るや、また自分の話を続けてしまいます。まさに独占です。
相手から意見が出ないから自分が話すのではなく、相手が積極的に意見を出せるような雰囲気、環境を作ることが重要だと言えるのでしょうね。
このコミュニケーションにおける「制止」の3要素に共通する対応策として、「相手の話・行動を一旦受け止める」ことが考えられます。とりわけ、1つ目で挙げた「否定」には効果的だと言えます。
受け止めるというのは、相手の話や行動を認めもせず、否定せずに、「相手はこのように思っているんだ、考えているんだ」と、自分の中で受け止めます。メンバーの話や行動が、自分と違う考えや意見、行動であれば、一旦受け止めた後に自分が思う考え、意見などを伝えていくことが大切になります。
聴講した研修の中でも、上記のコミュニケーションにおける「制止」の3つをやってしまうと、メンバーの心が疲弊してしまう、という趣旨の講義がありました。この制止の3要素は、企業におけるリーダーとメンバーの関係だけではなく、家庭内の関係であったり、習い事での先生と生徒の関係などにも通じるのではないでしょうか。
相手との信頼関係を築くなど、良好な関係を作る上では、否定せず、横取りせず、独占せず、一旦、相手を受け止めるコミュニケーションを心がけていくことも大切ではないでしょうか。
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