3月30日に開催される「温泉タトゥー問題」シンポジウムの準備が進む中、「静かに怒っている」ことがあると語るのは、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で、元旅行誌編集長の飯塚玲児さんです。飯塚さんが怒り、呆れ、困惑する「タトゥー入浴」の問題に関する関係各所の対応とは、いったいどんなものなのでしょうか?
タトゥー入浴に関する事なかれ主義に喝!
いよいよ今月30日に開催される「温泉タトゥー問題」シンポジウムが迫ってきた。だが、僕には依然としてこの件に関する実態が掴みきれていない。
ただ、現在、全国100か所の大規模温泉地にファックスアンケートを送っているところ。すでに回答が戻ってきている観光行政担当部署もあるのだが、ほとんど全部と言っていいくらい「対応は各施設の判断に任せるのが妥当」の選択肢を選んでくる。今のところ、1か所のみが「各施設の判断に任せるのが妥当だが、観光協会などから情報を発信すべき」という回答。また1か所は「入浴条件などを法律や条例で決めてほしい」を選んできた。
イレズミ・タトゥー入浴に関しては「各施設の判断に任せている」がほとんどでありつつ、「各施設の現状をほとんど把握していない」という結果になっている。まだ途中経過なんだけど、観光担当者が本気でこの問題に取り組む姿勢があるのかを疑うような回答ばかりである。まあ、想像はしていたけども。
だいたいですね、この種のことは面倒臭いので知らんふりしとけ、という「事なかれ主義的な考え」が透けて見えるのが個人的にムカつく。難しいのは承知の上で、みんなで考えて行こうよ、という姿勢が見えないのである。
この国際シンポジウムの告知を古いマスコミ関連の友人に依頼したら、彼は真面目に良かれと思って掲載をしてくれた。だが、あとで「なんで勝手にあんな記事を載せたんだ」と上司に叱られたそうだ。理由は「デリケートな問題だから、我が社としては一切タッチしないというスタンス」とかいうものだった。
いやね、タトゥー入浴の是非を社の意見として書いたわけではなくて、それを考えるシンポジウムが開かれますよ、という告知だけなのですよ、とその上司の方には申し上げたいところだ。温泉が売りの旅雑誌でそんな対応をしていて恥ずかしくないのかねえ。
とにかく面倒なことには「目をつむる」というお話にならない対応で、このシンポジウムが大盛況だったら、その上司の方を「白眼視」してやろうと思うのだった。僕は静かに怒ってます。
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