未だ「収束」しない福一原発事故。それでも未来に原発を残すのか

 

一旦持ってしまったものをなくしていくのはたいへんな決断がいること。膨大な利害関係者がいるのですから。だからこそ、東日本大震災という大きな犠牲をきっかけに、何を置いても、未来の国民の安全のために、原発のない未来を目指さなければならなかったはずです。気の遠くなるような長い道のりですが、だからこそ、そこに向かって、歩み出さなければいけなかったはずです。

あの絶望的な状況を体験して、今も、たくさんの方が苦しんでいて、大量の汚染土壌と汚染水の処理もままならない現実があるのに、もう二度とこんなことは絶対にないと言い切ってどんどん原発を再稼働させる意味が私には理解できません。

そんな、状況を容認していながら、マンションを100年長持ちさせようという議論をするのが、何かおかしいと感じてしまうのです。マンションを100年もたせるなら、それが存在している国土の安全こそ重要です。

私が夢想する50年後、100年後の未来に、原発はいりません。東日本大震災による原発事故は、私にとって、絶対忘れてはならないことです。重大なピンチは、何かを気付かせるための信号と思うからです。

何度でも言いますが、原発事故は、想定外のことが起こったから仕方がないでは、すまされないことです。国土を人が住めない場所にしてしまうのですから。

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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