計346人死亡の大惨事。ボーイング737MAX墜落事故は人災か?

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昨年10月のインドネシア、そして今年3月10日のエチオピアと、相次いで墜落事故を起こしたボーイング737MAX。計346名が犠牲となる大惨事は、なぜ発生してしまったのでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』で、著者で世界的エンジニアの中島聡さんがその原因を探っています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年3月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじまさとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

ボーイング737MAX

ボーイング社製の737MAXが先々週の日曜日にエチオピアで離陸時に墜落した事件が、大きな注目を集めています。去年の10月にインドネシアで墜落した737MAXと事故の状況がとても似通っているからです。特に鳥との衝突やエンジンの故障などの報告もなく、離陸直後に機首を上下させた結果地面に衝突しているのです。

737MAXはボーイングが737を市場のニーズに合わせて改良を施した、低燃費を実現する最新鋭機種の一つで、世界中で導入が進んでいます。

しかし、この事件を受けて、機種の不具合であるという可能性から、中国とインドネシアがすぐに737MAXの飛行を禁止し、ボーイングの株価は急落しました。米国政府は、当初は「機種の不具合であるとは断定できない」と飛行禁止には否定的でしたが、エチオピアで墜落した飛行機のフライトレコーダーの情報が公開され、「737MAXは危険な飛行機だ。安全性が確認されるまで飛行禁止にすべきだ」という声がマスコミやネットで高まり、米国政府も飛行禁止に踏み切りました。

事故の原因に関しては、色々な憶測が飛び交っていますが、現時点でもっとも可能性があるのは、737MAXに導入されたMCASという失速を防止する装置がパイロットの意図に反した動きをし、その結果、墜落してしまった、というのものです(参照:Boeing 737MAX, LionAir Update!! – MCAS? 注:ビデオなので音が出ます)。

737は、1965年にローンチされた歴史のある商用飛行機ですが、その大きさと航続距離が航空業界のニーズにマッチしているため、世界でもっとも販売台数の多い商用飛行機となっています。

ボーイングは、これまで737に数々の改良を加えて来ていますが、最新のモデルは737MAXで、これはより大きなエンジンを搭載することにより、従来よりも17%の燃費の向上を売りにしています。

より大きなエンジンを搭載するため、エンジンの取り付け位置をオリジナルの位置から変更しましたが、その結果として飛行機のバランスが変わってしまいました。そのバランスの違いを極力パイロットから見えなくするために取り付けられたのが、MCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)と呼ばれるシステムです。

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