これもよくある質問。
「今まで休日であった年末年始や盆休みを有休にすることはできないか?」
今まで休日であった年末年始や盆休みを労働日に変更し、その日に有休を充てるというものです。これは、労働条件の不利益変更の問題です。月給制の従業員にとっては、月給額が同じで労働日が増えることになります。ということは、労働条件の不利益変更ということになります。
労働条件の不利益変更については、基本的に、労使の個別の合意が必要です。ですから、すべての従業員から合意を取ることが必要となります。
ただし、合意が取れない場合であっても、就業規則の変更によって労働条件を変更することができます。といっても、何でもかんでも許されるわけではなく、その変更が合理的でなければなりません。
ですから、変更が合理的でないと判断されれば、その変更は無効となります。合理的かどうかは裁判所の判断になるのですが、合理的であるという主張立証責任は使用者側が負います。
結局は、従業員が裁判を起こすかどうかにかかっているのですが、もし裁判を起こされた場合には、「今まで休日であった年末年始や盆休みを有休にすること」は、合理的な変更とは判断さない可能性が高いと思います。ですから、このような変更は慎重に行うべきでしょう。
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