武田教授が問う。なぜ日本は明治の「試験重視」のままなのか?

 

今の教育

今は全く違います。私たちの先祖が頑張ってくれたおかげで、有色人種では唯一、立派な独立国として続き、今では白人のトップのグループであるサミットにも有色人種で日本だけが参加しています。しかし、日本社会の一部のシステム、たとえば教育などは明治時代のままで変化はしていません。変えなくても良いものもありますが、「本来の姿」に戻る必要のあるものは戻さなければならないのは当然です。

「入試」は必要か?これからは「個性を伸ばす教育」

教育は何のために誰のためにやるのか」と「教育は本来、何をやるべきなのか」の二つが基本的に決めなければならないことです。

まず、教育は一人の人が幸福になるために行うことで、国家は総合的に良い方向に行きますが、直接的に国家のために教育をする必要はないということです。

人間の大脳は何の知識もなく生まれてきますし、人間が人間たる理由の一つは大脳に知恵が詰まり、それによって野獣のような人生を送らなくてもよいのです。だから、古今東西の哲学や文学、歴史、社会の仕組み、それに科学や地球、宇宙などを知ることによって、喧嘩もしなくなり、人生が豊かになり、判断が正しくなります。それが教育の第一の役割です。

第二に、教育を受けることで知識を増やすことと、自分の中に眠っている才能を開花することです。前者を「伝達(伝えて覚える)」といい、後者を「教育(引き上げる)」といいます。あくまでも教育を受ける本人のためであり、国家の利得は間接的です。

そうなると、「試験の目的」が変わります。これまでは国家のために「このぐらいの知識と能力のある日本人が必要だ」ということで「一律の合格点」がありましたが、これからはその人の「目標値」を先生と生徒で相談して決めて、それに向かって勉強や訓練をすることになります。(メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』より一部抜粋)

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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