Windows95発売から四半世紀。PC第1世代を襲う「首周り」の危機

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多くの日本人が、職場や自宅でパソコンを長時間使用するようになったのは、Windows95発売以降のこと。25年近い年数が経過した今、中高年にこれまでになかった規模の健康被害が現れても不思議ではないと注意を呼びかけるのは、メルマガ『8人ばなし』の著者・山崎勝義さんです。すなわち、PCの長期使用による「頚椎周りに発症する異常」への備えを訴えています。

PCと頸のこと

最初のPC世代というのは1970年代生まれくらいであろうか。仮に1970年生まれだとするとWindows95の時は25歳、Windows98は28歳ということになる。

その彼らも今年で48歳である。初老とは言わないが、いい感じに中年である。そろそろ身体のあちこちにガタが出る頃でもある。

言うまでもないことだが、この世代以降PCは生活必需品となった。とすると、最初の世代を頭にして今後全体的な加齢が進むとともにPCに関連すると思われるような身体的な障害が爆発的に増える可能性があるということである。

一般的にPCに向かってのデスクワーク時の姿勢は若干前かがみになる。キーボードを打たなければならないからだ。しかし顔、即ち頭部はと言うとモニターを見なければならないために上向きとなる。結果として、首の部分を反らせるような姿勢になってしまうのである。

これが長期に亘って続くと、首に大きな負担が掛かる。若いうちはそれでもまだ首こり、肩こりくらいで治まるかもしれないが、中年以降になると頸椎間で緩衝剤的に働く筈の椎間板の柔軟性がなくなったり変形したりして本来の機能が果たせなくなるために深刻な症状となって現れる。

具体的には、手や腕のしびれや痛み、肩甲骨周りや背中の鈍痛に始まり、巧緻運動(手を使った細かい動作)が困難となったり、意に反して右半身と左半身で力やスピードが均等でなくなったりする。ひどい場合は歩行困難になったりもする。

これらの諸症状は、椎間板や頸椎の変形などにより神経が圧迫されて生じたり(頸椎症)、椎間板そのものが壊れて脊髄を圧迫して生じたり(頸椎椎間板ヘルニア)するものである。

こういった身体の不具合を、ただ単にひどい肩こりや首こり、運動不足や寝違いと片付けてしまってはいないだろうか。生活に支障がないからと放っておくうちに、支障が出るレベルにまで悪化してしまえばやがては手術しかないということになってしまう。頸部の、それも神経周りの手術である。リスクは高い

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