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中露の時代に

北朝鮮は、米国との非核化交渉を打ち切り、再度瀬戸際戦略に戻るようである。米国も交渉継続を打診するが、完全な非核化の条件を下げることはしないので、このままの状態が継続することになる。北朝鮮の金正恩委員長は、米国の譲歩を条件に再交渉を進めるというがそれは無理である。

問題は韓国文大統領で、4月11日にトランプ大統領との首脳会談を開いたが、会談時間は2分と短く、その前にボルトン補佐官などとの会談時間が長く、北朝鮮との融和政策を中止して非核化に協力しろと強い調子で要求されたようである。トランプ大統領も韓国が期待する南北経済協力の推進には「今は適切ではない」と述べ、容認しない考えを示した。首脳会談後のコメントも、非核化に取り組むと簡単なものであった。トランプ大統領は、韓国の人道上の支援を認めるとしたが、完全非核化を強く要求したようである。

米国と北朝鮮の仲介役として、再度取り持つと文大統領はワシントンに向かったが、結果は逆になったようである。国境線の監視所などを取り除いたり、鉄道線路を繋げたりしたが、これを元に戻すことになりそうである。

一方、中国は北朝鮮との関係を強化している。北朝鮮との新しい橋ができて、物資を送り込むことができている。経済制裁を解除はしないが、米国との貿易関係が疎遠になると、ロシア・北朝鮮との関係を強化してくる可能性がある。

ロシアは、シリアを手に入れて、次はベネズエラに介入して、リビアを手に入れて、米国の代わりに各地で覇権を取っている。ハイブリッド戦術で、1つづつ米国の地域覇権を取っている。そして、北朝鮮との関係を強化していくようである。

ロシアと米国の第3次世界大戦が始まっているとも見える。今までの戦争とは様相が違うが、広い意味では緩い戦争である。地球の地面の取り合いと見ると、現時点では、圧倒的にロシアが勝っている。東欧を失った代償を世界的に求めているとも見える。

徐々にロシアが武力で米国に勝ち、中国が経済で米国に勝ち、反米勢力が世界の主流になる可能性が高いし、米国は自国優先であるので、武力や経済力を使ってそれを排除しない。このため、結果は見えている。当分中露の時代になる。

そして、最初に米国を離れるのが韓国のような気がする。その韓国の動きが世界に衝撃を与えて、世界的な雪崩現象を起こすことになるような気がする。嫌な感じがする。

紙幣刷新と金融資産への課税

令和の時代、紙幣も刷新するようである。これにより1.数兆円程度の経済効果が出るというが、銀行などの経営が圧迫されることになる。銀行は支店を減らし、ATMの台数を減らし、行員を減らして、金利ゼロ時代で利益が出ずに経営のスリム化をする必要になっている。この時に新札を出すと、この改修費などの負担により一層のスリム化が必要になる。

もう1つが、銀行預金に利子がないので、高齢者はタンス預金をしている。このタンス預金を銀行にシフトさせて、金融資産への課税準備と見ることもできる。これ以上、消費税増税を続けることはできず、次の増税は金融資産への課税しかない

所得に課税しても銀行預金の金融資産には利子がないので、課税できないことになっている。このため、金融資産に直接課税することになる。結果、銀行預金をすると、マイナス金利になる可能性が出てきている。

日本政府は、1,100兆円もの債務を抱えて、1%の金利とすると11兆円の負担になっているが、この金利が3%になると、33兆円にもなる。国家予算の社会保障費より大きいことになる。国家破綻の可能性が高まっている。日銀の量的緩和は、財政破綻を防ぐために長期金利を上げないことに尽きる

しかし、経常収支が赤字になると円安になり輸入物価高騰でインフレになり、量的緩和を止めてインフレ防止に舵を切る必要になる。日本の技術力が低下して部品などの輸出額が減り、大企業の工場が海外展開して、石油や食料の輸入は減らないと、いつか経常収支が赤字に転換する可能性があり、この時点で日本は財政破綻の危険性が高くなる。

事実、この数か月、貿易収支は赤字になり、インバウンドでの黒字で経常収支は黒字を維持したが、徐々に日本の経済基盤が脆弱化してきている。

その準備をするためにタンス預金を追い出して、金融資産を把握しておくことが必要になっている。勿論、金融資産への課税の準備のためである。そして、財政赤字を無くして、財政黒字にして累積債務を解消しないと、財政破綻になるからである。日本はMMTから脱しないと国家破綻になる危機を迎えている。30年以上も金融緩和政策をすれば、累積債務が膨らみ身動きができないことになる。当然だ。

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