株バブル崩壊も。日経平均が「年初来高値」でも楽観視できぬ理由

tsuda20190415
 

昨年暮れに2万円を切る暴落となり先行きが不安視されたものの、4月15日には年初来高値を更新、4ヶ月ぶりに2万2千円台まで回復した日経平均株価。このまま株価を維持することは可能なのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんが、国内外の様々な要素を詳細に分析した上で、日本株価の今後を占っています。

日本経済の脆弱化で

とうとう日経平均も上昇してきた。NY株価が最高株価に近づき、出遅れ株への投資に向き始めたことによる。しかし、日本経済は一層脆弱化してきている。今後を検討しよう。

日米株価

NYダウは、26,951ドルで過去最高株価であるが、12月26日21,712ドルと暴落したが、その後は上昇して4月5日26,487ドルになり年初来高値になったが、4月12日26,412ドルになっている。数日、利益確定売りが出て、出遅れ株を探る展開になっていたが、JPモルガンの決算がよかったことで買戻しも出た。そして、全体的に強気相場継続である。

日経平均株価も、同様に2018年10月2日24,448円になり、12月26日18,948円と暴落したが、3月4日21,860円で、4月12日21,870円と年初来高値になった。安川電気の決算内容は悪かったが、株価は上昇している。これは、海外投資家が、出遅れている東証株を買い始めて、日本株を2週連続で買い越し、買越額は1兆4,637億円にもなっているからである。

NY株式市場はFRBが金融緩和方向であると安心感に包まれて総楽観で上昇相場になっていたが、株価が高いので利益確定売りが出て、安い出遅れ株を探し日本株を買い始めている。このため、日本株も上昇し始めている。ジャンク債の金利も低く売れている。バブル最盛期という感じになってきた。悪いニュースを無視して、よいニュースだけに反応する相場になっている。当面バブル拡大と見る。

しかし、取引額は減っているし、ここまで株価を押し上げたのは、自社株買いであり、この規制を民主党や共和党議員が言い始めている。将来は禁止になる可能性が出てきた。今後、NY株も試練があるかもしれない

日本株が上がる条件は、1つに海外投資家が日本株を買うことである。日本人で株投資をしている人は高々1,600万人しかいないからであり、投資家の数が少ない。2つに円安になることが必要である。3つに企業業績が良くなることである。現在株価が上がり始めたのは、海外投資家が買うからである。その他の条件は、むしろ悪くなる方向である。

米国の手本は日本

NY株式市場が高値安定期にあるので、トランプ大統領は、110億ドル分の欧州からの輸入品にも追加関税を掛けると言い始めたが、それにも市場は反応しない。EUも米国からの輸入品に対抗措置を検討している。トランプ大統領は、欧州との貿易戦争も始めるようである。

一方、トランプ大統領は、株価の下落がないので、自分の宣伝のために、貿易戦争を拡大していくようである。メキシコに対しても移民を止めない場合は、自動車関税を上げると脅している。国土安全保障省の長官も交代させて、国境管理を厳重にするようである。そして、中南米人や中国人だけではなく、インド人、日本人などすべての移民を止める方向である。技術者H1Bビザの発行も制限している。

移民を止め、金融緩和を行い、しかし、経常収支を黒字にして日本と同じ環境にして財政赤字を拡大させて、米国はMMTを行うようである。日本で成功した財政赤字拡大でも金融緩和して長期金利をゼロにすることで国家破綻しないのを見て、米国は同じ方法を取るようだ。

しかし、米国で一番難しいのが、経常収支の黒字化であるが、貿易収支の赤字国に対して厳しい制限をすることで、それを達成しようとしている。日本が米国の手本になっている。というように、米国の経済的な弱さが出始めている

2020年の大統領選挙まで、トランプ政権は、FRBを金融緩和方向に維持させて株価を高値で安定する意向のようである。このため、2020年11月までは、NY株価を高値維持する可能性もある。

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