迫る世界的バブル崩壊。それでも日本が危機を乗り越えられる訳

 

現状の確認

現状は、バブルの最末期で、投機には一番おいしい時期と言われる。しかし、この状態を保ったとしても高々12年後にはバブル崩壊になる可能性が高い。勿論、その前でも、今でもバブル崩壊は起きる。いつ起きるかわからない。

その時までは、皆が浮かれているので、ギャンブル性が高まり、金融資産は何でも上がるようだ。この時期は、危険いっぱいであるが、ギャンブル性の高いものに先回り投機すると、うま味もでかいという2面性を有している。何でも急騰するので、儲けが大きな時期でもある。急騰した物は、その後停滞するので先回りが必要になる。

しかし、お金がない庶民は、苦しくなり生活防衛をするのでデフレ気味になる。このため、物価も上昇しない。このため、適温経済になる。

ということで、余計に行け行けドンドンということになり、日本以外の不動産価格が高騰している。日本は人口減少になることがわかり、東京などの数大都市以外では不動産価格は下落している。

しかし、不動産価格が上昇すると、生活するために住宅を買うことができなくなる。価格が高いので実需がなくなり、投資目的だけになり、どこかで行き詰まる。その時にバブル崩壊となる。

株価も上昇して、NY市場では過去最高株価の近くまで来ている。一方で、日本は1989年年末38,915円が過去最高株価で、2009年7,054円が最高株価以降の最安値であり、その半値戻しは、23,054円だが、現時点株価22,200円で、まだまだ株価が高い水準とは言えないことになる。日本は、この30年、経済成長が止まっているのでバブル化できないのであり、日銀の支援があっても、そこに達しない。

このため、日本では、バブルが起きているとは思えない。そこが世界とは違うところである。

今回は世界的に中央銀行が金融資産や国債を買い、金融資産価格を上昇させている。日銀は株も買い、現状でも水準以上の株高にしているが、バブルの規模が小さい。このため、日銀が振りまくお金は、日本から米国などにばら撒かれている。日本に留まっていない。

しかし、この世界的なバブルが潰れると、資産価格は急落して、不良資産になるが、それを一番持っているのが、中央銀行ということになる。もう1つが、バブル経済に踊っていた人が大きなダメージを受けることになる。

このため、バブル崩壊になると、インバウンドの海外旅行者も激減する。日本は、その面からもバブル崩壊に注意が必要になっている。

日本は、バブルが起きていないことが幸いかもしれないが、銀行がCLOなどの組込ジャンク債を大量に買ったことで、そこからバブル崩壊の影響が出てくることになる。しかし、全般的には弱い経済で、被害が少なくて済む可能性もある。

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