迫る世界的バブル崩壊。それでも日本が危機を乗り越えられる訳

 

バブル崩壊をどう切り抜けるか?

世界的に金融緩和で長期金利を下げて、金利をゼロ以下にしている。中央銀行の金融緩和で金利水準を下げた統制経済になっている。企業利益が増えないので、米国のように企業減税や金融資産価格の上昇で、見た目の利益を増やしている

しかし、この方向の利益拡大も今後なくなる。一層の統制経済化が必要になってくる。中国の現状は、債務不履行の企業にも追い貸をしている。銀行は政府の命令に背けない。このため、企業を延命している。これは、企業の不振原因が米中貿易戦争で生産が落ち込んでいるので、それがなくなれば、企業は復活するからだ。このため、米中通商交渉を早く決着したいのである。

日本は、この面からだけ見ると、優位な位置になっている。現時点でバブル化していないので、今後もバブル景気にしないことである。このためには、日本だけ、少し景気を減速させて金融資産や不動産投資をさせないことである。景気後退にしても労働力不足であり、貧困家庭を増やすことにはならない

このため、10月の消費税増税は非常に良いことになる。前回の消費税増税も結果から見ると、バブルを抑えたことで非常に良かった可能性がある。

萩生田内閣官房副長官の「消費税延期もあり」と言う発言は、消費税増税の準備を開始している企業からの抵抗が強いことで、消費税をするしかないとなり、また、世界的な景気は回復基調であることからも、日本だけが景気悪化になるはずもなく、止めることができないことを安倍首相は確認したような気がする。消費税増税には、それ以上の対策費を積んでいるので、景気対策にもなっている。

このように、人口減少と労働力不足で、日本は知らぬ間に、世界的なバブルに巻き込まれるのを免れている感じがしている。というよりは、30年前にバブルを経験して、その後遺症から抜け出せていないとも言える。

もう1つのバブル崩壊の影響は、世界展開している銀行や証券会社を通じて、日本の銀行が危機的な状態になることであるが、これはCLOなどの格付けは高いが、バブル崩壊時には流動性がなくなる債券の購入を制限することである。こちらは金融庁が監視しているが、それと共に、日銀は長期金利を1%辺りまで上げる事で銀行経営を安定させることであると見るが、どうであろうか。

しかし、世界的なバブル崩壊になると、一番問題と思われているのが円高となるが、その時には、輸出が減り、インバウンド旅行者も減り、日本の経常収支は赤字になるので円安に振れるはずが、世界的な安定通貨である円の人気が高まり、円高になり円安インフレにならないことになる。日本は、企業の世界展開で輸出依存から観光客のインバウンド依存になるので円高にした方が良く円安の方が問題になる。

長期金利をゼロにするための日銀の量的緩和で、円安になっていると見た方が良い。

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