天皇陛下が退位し、もうすぐで平成という時代が幕を閉じます。改めて振り返ってみると、平成とは何だったのか、そして新時代「令和」を迎えるにあたって、私たちはどのような心構えを持てば良いのでしょうか。メルマガ『8人ばなし』の著者・山崎勝義さんは、平成という時代をバブルというキーワードで振り返りながら、令和時代には現状を直視すべきだと提言しています。
平成のこと
この文章は平成最後の日に書いている。
連続する記憶の中で、一つの元号の初めと終わりをはっきり認識す
昭和に関しても同じような経験をしたという人もいるであろうが、
自分を含め多くの人が、自分の人生の中にすっぽり収まってしまう
今回はそういったあれやこれやを巨視的観点からざっくり振り返っ
平成はバブル経済の崩壊とともに始まった。
今でこそ「バブル」などといった如何にも実体の無さそうな名称で
この言葉が登場するやあっと言う間に一般化したのには心理的事情
この「バブル」というつかみどころのない経済概念には「誰のせい
思うに平成は「誤魔化し」の時代であった。
行き詰まった制度や組織が出て来れば、実態を変えず名称を変えて
数年先のことでさえ不安な人には、100年安心と言って誤魔化し
実感がないなら、空前の長期好景気も誤魔化しと言う他なかろう。
直近で言えば、東京大改造オリンピックを震災復興であると誤魔化
当然のことだが「誤魔化し」には限度がある。正確には限界がある
来たる「令和」の時代には、我々の意志の力が試されるであろう。
麻薬的な魅力を持ちつつ差し出される「誤魔化し」をはねつけられ
耳を塞いで目を閉じることをやめ、壊れ行くあらゆるものごとを直
現状が損なわれるかもしれないという不安に立ち向かえるか。
どれも勇気の要ることだが、たぶん、皆もう気が付いているのでは
これ以上は誤魔化し続けることも誤魔化され続けることもできない