求められる宿泊施設の充実
このように従来は駅前商店街として地域に密着した商売を行っていた「水木しげるロード」であるが、観光商店街化して、遠方からの観光客が集まるようになったため、店舗のラインナップも妖怪にまつわるグッズや菓子など、土産物や甘味を売る店にどんどんと変わっている。目玉おやじを模した饅頭、ぬりかべのようなぬれせんべいなど、思わず笑ってしまうようなユーモアに富んだ商品も多い。


今では空き店舗もほとんどなくなり、隣の通りにまで賑わいが広がっていきそうな勢いがある。
食事ができる飲食店、ゆっくり休めるカフェなど外食は案外と少ないが、境港はマグロ、ベニズワイガニの水揚げ量で日本一となるほどの水産物の拠点でもあり、「水木しげる記念館」から歩いても20分ほどの距離にある「境港水産物直売センター」まで行くと新鮮な山陰の海の幸がふんだんに楽しめる。
「水木しげるロード」でも、海鮮丼、刺身、カニ料理などを出す店が出てきているが、境港のもう1つの売りである水産物をもっと積極的に売れば、さらに「水木しげるロード」の魅力は高まるのではないだろうか。

2年前、駅前にビジネスホテルの「ドーミーイン」が新業態として、初の和風プレミアムホテル「天然温泉境港夕凪の湯御宿野乃」(195室)をオープンした効果も大きい。これまで境港市には宿泊施設が乏しく、夜は隣の米子市にある皆生温泉などに宿を取る人が多かった。そのため、昼間はたくさんの観光客が訪れても、夜が早かった。

ホテル内にも飲食店はあるが、「水木しげるロード」周辺部で、夜も営業する飲食店が少しずつ増えてきているようだ。
ホテルがもっと充実してくれば、夜の観光も盛んになってくるだろう。









