厚労省では「がん検診のあり方に関する検討会」を2012年5月以来、28回にわたって開いてきた。構成メンバーは9人で、うち国立がん研究センターの幹部が2人、日本対がん協会支部の幹部が1人と、「検診ムラ」で3人を占めている。あとは大学の医学部教授、健康保険組合幹部、日本医師会幹部、自治体の担当者らである。
参院での質疑で、厚労省の佐原審議官は「有識者による議論をいただきながらがん検診を推進している」と答弁したが、国立がん研究センターの意見が通りやすいメンバー構成になっている有識者会議で、どこまで公正な判断が期待できるのか、はなはだ疑問だ。
バリウムによる胃の集団X線検査は、“要精検率”が他のがん検診に比べて圧倒的に高いという。要精検の判定を下された受診者に別料金で胃カメラ検査を行って二重取りをすれば、検診による収益はさらに増える。
以上のような諸事情により、バリウム検査を手放せないのだとすれば、バカを見るのは受診者だ。国会でもっと議論を深めてもらいたい。
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