授業の最後に、私は決まって次の自作の詩を朗読します。
あなたの息子はあなたの娘は、
あなたの子どもになりたくて生まれてきました。
生意気な僕を
叱ってくれるから
無視した私を
諭してくれるから
(略)
おかあさん
ぼくのおかあさんになる準備をしてくれていたんだね
私のおかあさんになることがきまっていたんだね
だから、ぼくは、私は、
あなたの子どもになりたくて生まれてきました。
上の娘から夫との馴初めを尋ねられ、お互いに学生時代、障がい児施設でボランティアをしていたからと答えたところ、「あぁ、お母さんはずっと梓のお母さんになる準備をしていたんだね」と言ってくれたことがきっかけで生まれた詩でした。
昨年より私は特別支援学級の担任となりましたが、梓を育ててくる中で得た多くの学びが、いままさにここで生かされているように思います。
「お母さん、準備をしていたんだね」という娘の言葉が、より深く私の心に響いてきます。
※『致知』2013年2月号 致知随想より
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