先日、テレビ番組で、どんなに、立派な「企業理念」を掲げても、それが社員の行動に繋がっていなければ、大きな企業もあっという間に崩壊する…と。
その通りだと思います。「お客様の幸せのために」と企業理念を掲げていても、収益を上げるために、高いノルマを課し、成功報酬がないと生活が成り立たないような給与体系で、厳しくはっぱをかけられているようなことが、現場で行われていたら…当然、社員は、成約のためになら、多少のウソや隠し事や誤魔化しを当たり前のようにするようになり、それを上司も見て見ぬふりをするということになることは目に見えています。管理組合のためにといいながら、管理組合の側の体制の脆弱さを知った上で、不誠実なビジネスモデルを考える人たちもいます。
でも、そういうことは、だんだん通用しなくなるのだと思います。コンプライアン重視をうたって、コンプライアンス研修をしていながら、数字を上げるために、社員に良心が痛むような営業をさせているような企業は、だんだん崩壊していくはずです。
余りに長年そのやり方に慣れて、それに心が痛むことさえない営業もまだいますが、それは昭和の遺物だと私は思います。平成は、バブル崩壊後の長い経済の停滞があって、昭和的なものと完全に決別することができませんでしたが、お客の喜んでもらえる仕事をして、社会に貢献するという企業の原点に回帰することが、いろいろなことを変えていくと思います。求人難は企業体質を変える本当にいいチャンスです。
大手企業でバリバリの営業マンだった人が、今、地域で、人を元気にするパフォーマーになって、お呼びがあるとどこにでも無償で出かけて行っています。「現職で営業やっているときは、ずいぶん人もだましたから、その罪滅ぼしでやっているんだよ…」と。今は、心から楽しそうです。そして、次世代には、自分たちのような営業はさせたくないと、心から思っての行動でもあるのです。
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