海軍兵学校出身の共産党元衆議院議員、松本善明さんの死に寄せて

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6月24日に亡くなられた日本共産党の元衆議院議員、松本善明さんについて、共同通信の配信記事が伝えなかった松本さんの経歴や交友関係を紹介するのは、メルマガ『NEWSを疑え!』の著者で、軍事アナリストの小川和久さんです。小川さんは、松本さんが海軍兵学校の第75期卒業生であったこと、その同期や前後に名を連ねるそうそうたる顔ぶれがイデオロギーを超えて語り合ったであろう姿に思いを馳せています。

海軍兵学校出身の共産党議員

日本共産党の衆議院議員を通算11期務めた松本善明さんが6月24日、満93歳で亡くなりました。

「東大在学中に共産党に入党。1949年に福島県で列車が転覆し機関士ら3人が死亡した戦後最大の冤罪事件といわれる松川事件や、皇居前広場でデモ隊と警察が衝突した52年の『血のメーデー事件』などを弁護士として担当した。衆院議員を通算11期務めた。死別した最初の妻は、絵本作家のいわさきちひろさん」(1日付 共同通信)

松本さんの訃報を伝える記事は、このような足跡を紹介しているに過ぎません。しかし、私が松本さんのことを記憶にとどめてきたのは、松本さんが海軍兵学校の卒業生(第75期生)だったからです。

そのことは、よく調べればわかることですし、松本さんも隠していたわけではありません。私が言いたいのは、松本さんが活躍した戦後の時代を経て今日の日本があるという点です。そこで日本の国づくりにいそしんだ人々が、松本さんの海軍兵学校の同期生や前後の期にいることを、紹介しておきたいと思ったのです。

まず、同期生である第75期生ですが、1943(昭和18)年12月1日に入校し、1945(昭和20)年10月1日に卒業しています。日本の敗戦により海軍兵学校が閉校になると決まり、にわか仕立ての卒業式で卒業証書が授与されました。76期生と77期生には修了証書が与えられています。

第75期生には、赤池弘次(数理統計学者、統計数理研究所長)、岩崎俊一(工学者、文化勲章受章者、東北工業大学学長)、岡田善雄(細胞生物学者、大阪大学教授)、小林公平(実業家、阪急電鉄会長)、小林登(医学者)、佐藤和男(法学者、青山学院大学教授)、茂野錄良(法医学者、新潟大学学長)、篠原宏(歴史学者、朝日新聞論説委員)、松野良寅(英学者、東北芸術工科大学教授)、三好達(裁判官、最高裁長官)、吉田學(第15代海上幕僚長)といった、そうそうたる顔ぶれが名を連ねています。

松本さんの2年上の第73期生には、東中光雄(日本共産党衆議院議員)、前田優(第14代海上幕僚長)、1年下の第76期生には、大木浩(環境大臣)、長田博(第16代海上幕僚長)、山口光秀(大蔵事務次官、日本輸出入銀行総裁)、2年下の第77期生には、川上哲郎(住友電工会長、関西経済連合会会長)、沢藤礼次郎(日本社会党衆議院議員)、田中健吾(編集者、文藝春秋社長)…。

松本さんは、東大の同級生だった藤田田さん(日本マクドナルド創業者)とも親友だったことで知られています。それからすると、ここに紹介した海軍兵学校の仲間たちともイデオロギーを超えて付き合い、日本の国の在り方を語り合った姿が目に浮かんできます。

この人脈を眺めると、陸軍士官学校と並んで国家の秀才が学んだ海軍兵学校ならでは、と思わずにはいられません。これからの日本は、この先輩たちの志をどのような形で受け継いでいくのでしょうか。(小川和久)

image by: HKT3012 [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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