いったい何が、若者たちを苦しめているのか?「子供社会は大人社会の縮図」と考えれば、自ずとその答えは出てくるのではないでしょうか。
大学の“教室”という空間で学生たちと接していると、彼らの生きづらさを感じることが頻繁にあります。
見た目は一見“今風”のおしゃれな学生でも貧困に喘いでいたり、一見“明るい”活発そうな学生でも自信喪失していたり。彼らは“キャラ”を演じている自分に疲弊し、SNSで“リア充自慢”する友人に気後れし、都内近郊の自宅から通う帰国子女の同級生に嫉妬し、自分の気持ちを正直に表現できる勇気を持てず、そんな自分に悩んでいました。
時代の風や空気に敏感な若者は、社会の不寛容さを肌でビンビンに感じている。ちょっとでも「正解」から踏み外すと、負け組だのがんばりが足りないだのと自己責任論がはびこる社会です。
勝ち組だけにしか「未来」は存在せず、一度でも失敗をしたら再チャレンジが許されないことがわかっている。
それは私たちオトナが暮す社会の生きづらさであり、閉塞感であり。「自己責任」という薄っぺらい“正義感”を振りかざす自称エリートの存在が、若者を息苦しくさせているのではないか。そう思えてなりません。
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※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年7月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
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