「海外で起業して利益を出すためにはどうすればいいですか」、「北米の事業進出を成功させるためには何をすればいいですか」。僕が最近、人によく聞かれるこれらの質問も、具体的な方法論を聞かれているのは理解できます。アメリカ人のニーズ、マーケットの大きさ。信頼できるパートナー、貿易約款の留意点等。でも、(口に出さずとも)僕の本音は、「利益を出せばいい」「成功させればいい」。
至って真面目に答えています。東大に合格する絶対唯一の方法は東大に合格すること。一億円稼ぎたいなら、一億円稼いで当たり前の人になること。途中経過は多分、人それぞれ。 そう考えると、理論上、先天性のモノ(才能)、スポーツ医学的なモノ(肉体年齢)以外、すべての夢は叶えられる、ということになります。
例えば、僕がいまからジャニーズ・ジュニアに入団したい。これは年齢的にも、骨格的にも、ルックス的にも無理です。オリンピックでメダリストも、ボクシングで世界チャンピオンも、同様・無理。才能、肉体年齢の時点でアウト。なので「夢はなんでも叶う!」なんてことは絶対ない。
ただ、後天性のモノ、肉体年齢が関係ないモノ、これは理屈上叶えられる、はずです。例えば、銀座の一等地にお店を出したい。カナダでアパレルショップを経営したい。司法書士の試験に合格したい。YOUTUBERとして稼ぎたい。 これらは、才能や肉体年齢にそう左右されない。実現のキーポイントは「できるようになるまで、やればいい」。アメリカには「先住民の雨乞いは必ず叶う」という有名なことわざがあります。干ばつに悩まされたインディアンが、雨乞いを天に捧げると、絶対に雨が降ってきた、というものです。
カラクリは、地球の歴史上いつかは必ず雨は降るから。降るまで雨乞いを続けるから、降る。できるまでやりゃあ、そりゃできる。という意味です。一瞬、ふざけたことわざだと思わなくもないですが、意外と真理を突いている。 ただ、そこに、それだけの時間と労力をかける価値があるのか、ないのか。どちらかというとそっちのほうが問題。価値があるのであれば、叶う。だって、叶うまでやればいいんだから。そして、もし、叶わなくても、それでも努力する価値はある。
以前、「ビリギャル」の著者でお馴染みの坪田塾塾長、坪田信貴先生にインタビューした時のことです。先生は日本を代表する人材育成のプロフェッショナル中のプロフェッショナル。 その先生が「生徒に“努力すれば夢は必ず叶う”なんて、そんな嘘は言えないです」と言いました。「だって、たとえば、僕が今からNBAのスター選手になりたい!って言っても100%無理じゃないですか(笑)どんなに努力しても40過ぎた未経験者がアメリカのプロバスケット選手になって活躍はできない」。
そして、先生は続けました。「でもね、努力すれば、たとえ成功しなくても、人間、成長はするんです」と。努力すれば、少なくとも「成長」はする。そして、それは成功より大切なことだと、坪田先生は教えてくれました。
生前の今井さんと、坪田先生と、このおふたりとのインタビューは、その後の僕の仕事において、とても大きな影響をもたらせてくれました。なにか物事を始める際、とても大きな教訓になっています。
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