保守も取り込み始めた山本太郎を襲う、週刊誌沙汰スキャンダル

 

聴衆側の心理はどうだろうか。お金の使い方について事細かな説明をし、これからの目標を伝える山本氏の姿は、話を聞く人々の間に仲間意識を生み高揚させる効果を持つのではないか。

山本氏は消費税廃止を唱えながらも、政権交代をめざすために、野党連携を優先し、消費税5%への減税の旗のもとでの結集を呼びかけるつもりのようだ。

消費税5%で共産党を含む野党共闘が実現し、山本氏が選挙の顔となれば、政権交代への世間の熱気は間違いなく高まるに違いない。

立憲民主党の枝野代表、国民民主党の玉木代表、いずれも山本氏と早期に会談したいと発言し、秋波を送っている。山本氏の勢いを取り込みたいのが本音だろう。

しかし、しがらみのない山本氏と、連合などの支持母体に集票を依存している政党とは、事情が違う

10%への消費増税を法律に定めるもととなった3党合意は、民主党野田政権下で交わされたものだけに、立憲民主党、国民民主党ともに、5%への減税は受け入れがたいかもしれない。

とりわけ国民民主党には右派の議員も多く、原発即時禁止を訴える山本氏の主張とは必ずしも相容れない。電力総連など原発推進派労組の支援を受けている議員は山本氏への抵抗感がより強いだろう。

また、国民民主党の憲法改正に前向きな議員を誘い出すように、安倍首相から連携の呼びかけがあり、どこから出た情報か、門外漢であるはずの亀井静香氏がテレビ番組で「大連立が絶対ある」と語るなど、あたかも国民民主党そのものが連立政権入りするかのごとき噂まで飛び交っている。

一方で、「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表が、わけありの無所属議員に入党を呼びかけ、数を増やそうとする動きがメディアに取り上げられている。憲法改正の発議に足りない参院の人数を供給する代わりに、受信料を支払った人だけがNHKを視聴できるスクランブル化を…とバーターをしかける腹づもりらしい。なんとしても参院で3分の2以上の改憲派を確保したい安倍政権のこと、これに乗る可能性が全くないとはいえず、成り行きしだいでは国民民主党を取り巻く状況はまた変わってくる可能性もある。

いずれにせよ、国民民主党が何らかのかたちで安倍改憲に手を貸すようなことがあれば、ただちに自民党の補完勢力であると国民に見なされ、自社さ政権後の社会党のようにますます衰退の道をたどり続けることになろう。

国民民主党入りした小沢一郎氏は今も山本太郎氏と連絡を取り合っているという。いずれ山本氏を野党陣営のリーダーにしたい意向らしいが、国民民主党とれいわ新選組が合流することはまずありえない。フレッシュな印象を維持したまま突っ走るには、山本氏はしがらみのない姿を見せ続ける必要がある。

山本氏は政権奪取をめざし「自分を最大化できる」戦略を進めていきたいと語り、9月から、全国をまわってネットワークづくりに励むという。

山本氏が今後気をつけなければならないのは、週刊誌沙汰のスキャンダルだ。安倍官邸はすでに内調を動かしているかもしれない。もちろん、週刊誌も独自に山本氏の周辺を嗅ぎまわっているだろう。だが、おそらく何も出まい

週刊文春(8月8日号)などは、山本氏についてネガティブな話をあげつらうために、古いネタを蒸し返した。題して「トリックスターの正体 山本太郎の母が語る『あの子は気が弱いから断れない』」である。

何のことかと思って読むと、2013年に、当時19歳の女性と結婚3か月でスピード離婚した件だった。母いわく。「その後も運が悪いんです、太郎は。気が弱いから、言い寄られたら断れない。それで失敗してるんです」。

このネタ以外には今回の参院選の話がほとんどを占め、なぜ「トリック」なのかを語った部分はない。

トリックスターのもともとの意味は、神話や民間伝承において,詐術を駆使して神や王などを愚弄し、秩序を混乱させる一方、英雄としての側面も持つ人や動物のことだ。参院選のやり方そのものがトリックスター的であると見ているのかもしれないが、その言葉には、一時の気まぐれな旋風が起きたくらいに小馬鹿にした響きが感じられる。これなどは序の口で、今後、出る杭を打つ勢力は絶えることなく現れるだろう。

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