保守も取り込み始めた山本太郎を襲う、週刊誌沙汰スキャンダル

 

おりしも、立憲民主党が国民民主党に衆院で立憲会派入りを求めるなど、野党共闘の強化をはかる動きが活発になってきた。

山本氏の思いももちろん野党共闘にあるが、その政策は保守層の一部にも受け入れられている。文筆家、古谷経衡氏は、保守票の一部もれいわ新選組に流れたと指摘、その理由として、政策が対米自立、国土強靭化、反グローバリズムなど保守本流の思想に近いものを多く含むからだと言う。

たしかに、山本氏は、小さな政府をめざし民営化路線を進めた小泉・竹中改革を否定している。安倍政権の政策決定にも依然として影響力を持つ竹中平蔵氏の新自由主義的世界観が国民の間にさまざまな格差を生んでいるとして、厳しく批判している。

ただ、山本氏の保守色は、利益誘導ではなく、弱者目線がベースにある。政府支出の拡大により、景気を押し上げて税収を増やし、社会福祉の充実をはかろうというのだ。

これまで法人税の減税や租税特別措置などで優遇されてきた大企業や富裕層からの税収減を補う形で消費増税が行われてきたが、消費税を廃止、あるいは減税し、大企業や富裕層への課税を強化する方向に転換する。法人税率が上がれば企業は海外に逃げるというのは政府の宣伝で、消費税減税によって国内の需要が高まれば企業は儲けるために国内に残るというのが山本氏の主張だ。

国民に観客ではなく参加者として語りかけ、いい格好を見せるのではなく、一緒にやってくれませんかと呼びかけていく今のスタイルを続けるなら、山本太郎氏の巻き起こした旋風は、一過性の現象に終わることなく本物のパワーをつけていくだろう。この新しい潮流を日本の政界は生かすべきである。

image by: MAG2 NEWS

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