「人民あっての権力者」の発想がない金正恩がミサイルで守るもの

 

金正恩は、米韓が「防御的」とする演習に対抗し、「我々も防衛に必須の威力ある手段を開発、実験、配備せざるを得ない」とし、発射場所や飛距離、高度を変えながら「いつどこでもミサイル防衛網を避け、韓国全域を攻撃できるとの脅迫だ」と言ってはばからない。

今の金正恩は、米韓を舐め切っているようにしか思えない。一方の日本と言えば、「ミサイルが発射されるたびに、会議だけを開いている」が実情である。茶坊主の役割を果たした文在寅は、もはや蚊帳の外である。「拉致問題の解決のためには無条件で会談に応じる」と言う安倍晋三も、もはや金正恩にとっては眼中にはないだろう(まったくとは言わないが)。今の金正恩はまさに「そこのけ、そこのけ、金様のお通りだい」という状況かもしれないが、商売人のトランプ大統領は「北朝鮮が湯水のように黄金を使い、やがてそれが枯渇する日を虎視眈々と狙っている」のである。

「黄金(ミサイル)よりも子(人民の生活・人権向上など)が大事であることを誰よりも金正恩は知っているはず」だが、「金王朝の護持と我が身の保身」しか考えていない(それしかないのだが)今の体制では、無理なことかもしれない。商売人トランプ大統領は崖っぷちに立っている金正恩に「さらなるミサイル発射をそそのかす」だろう。(宮塚コリア研究所代表 宮塚利雄)

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