松本人志「何をするにも理由が三つ要る」の言葉に驚嘆した理由

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大学の教授が唱えた「三点ルール」の考え方に影響を受けたというメルマガ『8人ばなし』の著者の山崎勝義さんは、その先生と接点があったとは思えないダウンタウンの松本人志さんから同様の言葉が発せられたのを聞き驚いたと語ります。天才と呼ばれる人たちは、立場や境遇が違っても同じ境地達する場合があることに山崎さんは感嘆し、同じ「3」にこだわって「三大〇〇」を新たに定め悦に入る自分を恥じています。

三点ルールのこと

大学時代、卒論指導の教授がこんなことを言っていた。

「証拠や好例が三つそろえば、大筋においてその論は正しいと思っていい。三点が決まれば即ち面が決まる。面が決まれば論理は安定する」

右手の親指と人差し指と中指で作った三点の上に、左手の手の平で作った面を置くようなジェスチャーをしながらそう言う先生を今でもはっきりと憶えている。

その話をした後、先生はこう続けた。「自分のキャリアも東京の私立、大阪の公立、京都の国立と、三都三立に亘っている」。こういう人は理論と経験が面白いほど符合するものである。

自分はこの考え方に結構な影響を受けた。これにはもともと数字としての3が好きであったというのもある。素数の中で最小の奇数であるというのがその理由なのだが共感していただけるかどうかは若干自信がない。

ともかく数字の3好きが、三点ルールというある種のお墨付きを与えられた訳だから、嬉しいには違いない。爾来、やたらと何でも三つそろえる妙な習慣ができた。

話しは変わるが、以前何かのテレビ番組でダウンタウンの松本人志氏がこの教授と全く同じことを言っていた。「何をするにも理由が三つ要る。というのも三点が決まれば面が決まるからである」。それが自分の行動原理だと言うのである。ついでに言うと、ジェスチャーまで同じであった。

これには大いに驚いた。私の大学時代の恩師と松本人志氏の間に直接的な接点はまずあり得ない。さらに先生の著作のどこにもこの「三点ルール」は書かれていないから間接的にもない

天才と呼ばれるような人は偶然に同じような結果を導き出す、というようなことをよく聞くが、これほど置かれている立場や境遇が違うにもかかわらずこれほどまでに同じ境地に達するものなのか、とただただ驚愕するばかりである。

一方自分はと言うと、この三つ揃えへのこだわりがバカげた言葉遊びにまで成り下がって、共通要素のある人名や文物を出鱈目に三つ揃えては「日本三大…」「世界三大…」と名付けて人に聞かせるという迷惑千万な趣味となってしまった。

例えば、「金ヤン(かねやん)、端ヤン(ばたやん)、カラヤン(Karajan)」これは「世界三ヤン」である。以前、この『8人ばなし』でも「世界三フレミング」というのを紹介した記憶がある。

その最新作が、「香川照之、関根勤、五月みどり」で「日本三大カマキリ」である。その心はWikiで調べてもらいたい。ノーヒントで全部分かる人はなかなかの昭和-平成人である。

それにしても天才の行動原理をここまで台無しにしてしまう凡人としての業の深さを我ながら恥じ入るばかりである。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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