社員の問題
「社員がついてきてくれない」という悩みでした。これは当然と言えば当然です。先代と二代目の関係がうまく行っていないということに社員はすぐに気が付きます。そういうことには敏感です。
そして、社員の多くは先代の教育を受けています。先代がよほどひどい経営者でない限り、社員は先代のことを評価していますし、慕ってもいます。となれば、二代目にとっては分が悪いです。ですから、社員が付いてきてくれません。
もちろん、経営を引き継ぐまで、二代目も社内外で数々の成果を上げてきました。社員もそれを評価してついてきてくれているように感じていたのでしょう。ところが、いざ二代目として引き継いでみるとそうではありませんでした。どうしたらいいでしょう。
二代目は、今からでも遅くはありません。一人でも多く、自分の味方を増やすことです。その一番効果的な方法は、先代を上回る業績を上げることにあります。そうすれば、社員は二代目の力を認めるからです。とはいえ、それはなかなか簡単なことではありません。他の方法はあるでしょうか。
いくら二代目の経営理論やノウハウが優れていてもそれで社員を引き付けることは難しいです。ましてや、給与や報酬でつかもうとしてはいけません。そうではなくて、大事なことは社員の気持ちをつかむことです。そのためには、「会話」という方法を使いましょう。とにかく社員一人一人と「会話」をするのです。そして、社員のことをよく分かってあげるのです。
また、逆に自分のことを分かってもらうように社員に伝え続けなければいけません。そうすれば、「会話」を通じて、二代目のファンが増えていきます。手間ひまは掛かりますが、それが近道です。
つまり、お店のお客様をファンにする方法が分かっていれば、その方法を応用してはどうでしょう。その時は、先代と同じように社員がついてきてくれるはずです。これで、今回の二代目の悩みは解決できるのではないでしょうか。
■今日のツボ■
- 経営者にとって難しいのは「お金」と「人」の問題である
- 二代目は先代のやり方に抵抗するのではなく、認める
- 社員との「会話」で自分のファンを増やすことが重要
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