確かにオープンしているはずなのに、店員が見当たらずガラーンとしている…。そんな「ノースタッフ」のお店への入店率は低い傾向にあると指摘するのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、スタッフが席を外さねばならない状況は理解できるとした上で、離席時間短縮のために店内でもできる、ちょっとした工夫を紹介しています。
ノースタッフの店
入りにくいお店になっている状況というのは、いろんなものがあります。スタッフの表情が硬いとか、商品が魅力的に見えないとか、清掃がなされていないとか、多くの理由が考えられますね。
個人差はあるとは思いますが、私的に、その中で最も入りにくい状況というのは、スタッフがいないお店です。厳密には、スタッフがいるのは間違いないのですが、スタッフの姿がまったく見えない店というのは、非常に入るのをためらってしまいます。もし入れたとしても、長く滞在するのがかなり苦痛なのです。
なぜそう感じるかと言われると、具体的な理由をお伝えするのは難しいようにも思います。スタッフがいない(見えない)ことで、なんとなく、不安を感じてしまったり、誰もいない、見えないという時点で、お客様に向き合う姿勢はなさそうだなと思ってしまったり、もしかすると、(まずないとは思いますが)盗難なんかを疑われてしまうかもしれず、商品に近づくのも気が引けます。
考えすぎなのかもしれませんが、やはり、ノースタッフのお店というのは入りにくく、滞在しにくいのです。
でも現実には、そうなってしまっているお店は多いと思います。そもそも、スタッフの人員が足りておらず、ちょっとバックヤードに入ったりして、姿が見えないという場合もあります。それも重々分かってはいるのですが、それにしても、あまりに長い時間、誰もいないと、とても違和感を感じてしまいます。
つい先日などは、非常に残念なことに、私が店内に入ってから、明らかに気づかれているにも関わらず、スタッフさんが姿を消してしまったことがありました。それもそこそこの時間です。買い物したくてお店に入ったのですが、話しかけられるどころか、こちらから話しかける相手もおらず、結局どうしようもなくなって店を後にしました。
状況によって、環境によって、どうしても店内にいられないという場合があるのはわかります。それは仕方ないとは思うのですが、ノースタッフになってしまう時間があまりに長くなってしまうのは、避けなければいけません。
実際に、スタッフが見えないお店というのは、入店率が下がると言われます。
最新のAI導入で、最初からスタッフがいないお店であると分かっていない限りは、お客様は必ず、スタッフを介して商品を購入することになるので、どんなスタッフが存在しているのかがわからないと、それだけでお店に入ることも、買うこともためらってしまうわけです。
飲食店を対象にしたデータではありますが、スタッフがいない状況で、お客様が待てる時間は、1分以内というデータもあります。
ノースタッフになってしまうのは、状況的にどうしようもないかもしれません。しかし、そうならないための工夫は必要です。極力、裏に入らないように仕事の位置を変えるとか、お客様に見える位置に待機するとか、考えられる工夫はたくさんあるでしょう。
自店がノースタッフになるタイミングはあるか、お客様からノースタッフに見えてしまうような状況になっていないか。ぜひ日頃から意識して、考えておきたいところです。
今日の質問です。
- ノースタッフに見える状況にはどんな状況がありますか?普段、仕事をしている立ち位置などが外から見てどう見えているか、検証してみましょう
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