季節の移り変わりは早く、汗ばむ毎日がようやく終わったと思ったら、今度はめっきり冷え込んできました。こんな時はゆっくり温泉につかって、体を温めたくなるものですよね。今回の無料メルマガ『ホテルの遊び方』では著者の西田淑子さんが、日本最古の温泉から、入浴時のマナーやその由縁などなど、日本独自の温泉文化のあれこれを紹介しています。
最も早く営業を開始した宿
こんにちは、ホテルの遊び方の西田淑子です。
現在、営業中の宿で、最も早く営業を開始した宿、ギネスブックに認定されている宿は、日本の温泉旅館です。山梨県の慶雲館で、創業は、大化の改新の20年後の705年です。藤原真人が湧き出ている温泉を発見したのが始まりだそうです。
日本は、温泉大国と言われます。日本の宿は温泉とワンセットですね。日本列島は、環太平洋火山帯にすっぽりと入っています。つまり、日本は火と水に恵まれた国なんですね。
日本最北端の温泉地は、北海道の稚内温泉。日本最南端の温泉地は、宮古島のシギラ黄金温泉。シギラ黄金温泉は、日本最西端でもあります。日本最東端の温泉地は、北海道知床の、相泊温泉。
温泉に入るときのマナーです。湯船に入る前に、かけ湯をするなりして、身体の汚れを最初に洗い流します。汚いから、ということでは有りません。昔は、それが主な理由だった時期もあったかもしれませんが…、汗や皮脂など、わずかな量でも、共同で大勢が入りますので、それなりの量が湯に混じります。それから、先にかけ湯をすることで、身体を湯に慣らしておく、という効果もあります。
なによりも、共同で、見ず知らずの人同士、大勢が、無防備な状態で利用するのが、温泉です。こんな素晴らしいシステムを実現している日本は、一人ひとりそれぞれが、平和を熱望し、平和を維持することに努力をしているのだな、と分かります。
海外から日本に訪れる旅行者の多くは、温泉を楽しみにしています。身体も心も癒やしに来るのでしょうね。
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