チュートリアル徳井義実さんの多額の税金申告漏れが注目されています。そのせいで、個人事業主や経営者の方の中には「これは経費で計上して大丈夫だろうか」とにわかに不安になっている方も多いかもしれません。そこで、メルマガ『歌って踊る事務番長、大木英恵の事務職でも独立できる!”成功する経営者”の共通点、教えます!』の著者・大木英恵さんに、「これは経費で落ちますか?」の疑問にズバリ答えていただきました。
これは経費になりますか?
今回は経費の分類と集計、支払明細、出金伝票についてです。まず、最初の質問に早速答えると
「経費になりますよ」
です。
中身も聞かずに、なる!と言っていいの?とご心配になったかもしれません。
事業に関連する支出はすべて経費です。ですから当然、事業に関われば、それは経費です。
経費にならないんじゃないか? でも経費にしたいな、税務署を騙せないかな? というやましい気持ちがあると、不安にもなります。
事業に関われば堂々と「経費です」と言い切れますね。
商品の仕入れなどは悩まず経費と言い切れますね。
荷物を送る送料も自信を持って経費と言い切れますね。
これから取引する相手と打ち合わせするためにコーヒーショップに入り、全員分の飲みもの代を払ったら?自信を持って経費ですね。
これから取引する相手と打ち合わせするために、一人一人支払うタイプのコーヒーショップに入ったら?自分の分だけだとしても自信を持って経費ですね。
銀行員の友人との飲み会で、自分の事業の説明をして、融資がしてもらえるか? 最近の融資先の傾向は? などを相談したら?事業に関わりますから経費ですね。
そうなんです。
すべての時間、経験を、なんとか事業のために役立てようとしているのが経営者、事業主です。
すべての活動について、どのように事業に関係あるか説明できるのが、経営者、事業主です。
お分かりでしょうか?
税務署に「この一人で飲んだコーヒー代はプライベートな出費じゃないですか?」と聞かれたとき、領収書を裏返して、「A社S氏と新商品の仕入れについて打ち合わせ」と書いてあれば、紛れもなく事業に関わる経費です。
ですから、どんな活動も事業に関われば経費と言い切れます。そして、それを証明するメモや議事録が有れば完璧です。
領収書やレシートは必ずもらいましょう。そして、面倒でもメモ書きを入れましょう。
もし、領収書が出なかったら?事務所の引越し作業に来てくれた人たちに、自動販売機で缶コーヒーをら10本買ったら?これは自信をもって経費ですが、自動販売機で領収書が出ません。
そういう時は「出金伝票」という用紙を利用します。文房具屋さんにあるので是非購入してください。「何月何日、何のためのお金をいくら使いました」と書く紙です。
他にも、取引会社の社長が結婚したので御祝儀を渡したら、まさか領収書はもらえませんが、自分で出金伝票を書きます。
え?自分で書いていいの?
はい。いいです。
この出金伝票を領収書と同じように保管し、取り扱います。内容を見れば、嘘を書いたかどうか確かめることもできますし、傾向を見れば不審かどうかはわかるものです。これで領収書が出ない出費で、明らかに経費と言えるものも記録が残せます。
ちなみに。
「伝票書いといて」
「伝票を切る」
など、会計用語として出てくる「伝票」ですが、「小さい紙」という意味です。この小さい紙にきちんとメモを書き残す、これが経費を証明するものになります。
時間が経つと、メモすべき内容は確実に忘れていきます。大切なのは都度メモすること。マメさが経費をたくさん計上できる鍵です。できる社長は皆マメですよ。
- 009 これは経費になりますか?(10/27)
- 008 契約書、申込書は作らなければならないの?(10/20)
- 007どこまでが自分の仕事か?納品・商品設計(10/13)
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