物事の解決策等を模索している時、私たちは自分自身に「質問」しつつ考えを巡らせているそうです。しかしどうしても「的確な解」が導き出せない場合は、「その質問を変えてみることをおすすめする」というのは、現役弁護士の谷原誠さん。谷原さんは自身の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で、質問を変えることの有用性を記しています。
なぜ質問が大切なのか?
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
倫理学の問題で、次のような設例があります。
洞窟を調査していた探検隊が洞窟を脱出しようとして、軽率にも太った男(デイブ)を先頭にしてしまった。
その時、デイブが太っているため、出口で詰まってしまい、後ろの隊員が出られなくなってしまった。
その時、洞窟の中で突然水があふれ出し、一刻も早くここを脱出しなければならない。
探検隊は、デイブをぶっ飛ばして脱出できるだけのダイナマイトを持っていた。さて、彼らはダイナマイトを使うべきか、それともおぼれ死ぬべきか。
以上です。
いかがでしょうか?「人を殺すことは、どんな理由があっても許されない」「5人の命を救うのに、1人の命を犠牲にするのは許される」など、色々回答があると思いますが、答えを考える前に、私たちは、自分に対して質問をしています。
「他人の命を犠牲にして自分が助かるのは、倫理的に許されるのか?」
「殺人を犯す、という違法行為をしてもいいのか?」
「人の価値に、量的な優劣があるのか?」
「この設例は二者択一なのか、第三の方法はないのか?」
結局、どういう観点から考えるか、ということは、自分にどう質問するかによる、と言えそうです。自分に対して、どういう質問をするかによって、どの観点から考えるかが変わってくる、ということです。
他人の場合も同じです。会議で、「売上を伸ばすには、どういう方法があるか?」と問えば、売上を伸ばす方法をみんなが考えるのであって、経費節減の方法を考え出す人はいません。しかし、「利益を増やすには、どうしたらいいだろうか?」と問えば、経費節減の方法を考える人もいるでしょう。
自分が正しく考えるつもりでも、なかなか答えが見つからない、という場合には、質問を変えてみることをおすすめします。そうすれば、全く違った観点から、考え出すことができるしょう。
「もし自分が死にそうな状況になって、助かる方法を考えるのに1時間あるとしたら、最初の55分は、適切な質問を探すのに費やすだろう」(アインシュタイン)
質問に興味がある方は、ぜひ、この本を読んでみてください。
『人生を変える「質問力」の教え』(WAVE出版)
今日は、ここまで。
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