池田教授が指摘「人為的温暖化説」のバラマキに見る科学の政治化

 

人為的温暖化説に騙されるな

そうなると、人為的温暖化説に都合がいいシミュレーションを発表した科学者には潤沢な研究費が流れ、反対の科学者は資金が乏しくなる。研究費がなければスーパーコンピュータを動かすこともできないので、いきおい、この分野の科学者は、人為的温暖化説の尻馬に乗って研究費を得た方が賢い、と考えたとしても不思議はない。気候変動に関するコンピュータ・シミュレーションなどは当たるも八卦当たらぬも八卦の世界なのだけれど、未来のことは誰も分からないので、当面は人々を騙すのは簡単である。

しかし、予測が当たったかどうかは時が来れば分かる。20世紀後半になされた20年後の気候変動のコンピュータ・シミュレーションの結果は、ほぼことごとく外れているのだけれども、それについてはほっかぶりしている専門家が多いのは、厚顔無恥としか言いようがない。人為的温暖化説が崩壊すると困る政権と企業とその走狗であるマスコは、それに関しては一切報道せずに、いまだに、温暖化は大変と言っているのも笑止だけれども、ほとんどの国民は未だにそれを信じている。

いきなり、氷河期が来たらどうするつもりなのかしら。太平洋戦争中に、神国日本、鬼畜米英を叫んで、日本は不敗だと言っていたのが、敗けた途端に一億総懺悔になったように、みんなでツラっとして人為的温暖化真理教はなかったことにするのだろうね。俺は懺悔しないからね。

ひとたび、人為的温暖化が「Political correct」になると、反対する人を理屈も論証も無視してバッシングすることに快楽を感じる、品性卑しい人が跋扈するようになる。「2019年の台風15号と19号の原因は温暖化のせいなのだから、温暖化していないと言っている人たちは、台風で被害が出た人に申し訳ないと思わないのか」といった無茶苦茶な言説まで飛び出してくる。

前回のメルマガで詳しく述べたように、台風と温暖化は無関係であるし、況してや台風の被害と温暖化は何の関係もない。日本は温暖化対策と称して、官民合わせて年間3兆円もの金をつぎ込んできたが、たとえ、人為的温暖化説が正しいとしても、この金は温暖化防止にほとんど役に立っていないし、もちろん、台風被害の防止にも何の役にも立っていない。(メルマガより一部抜粋)

image by:Shutterstock

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