結局エコって何だ?「人間保護」を忘れた環境保護論者がはまる罠

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台風災害などもあり、日本でも地球温暖化に関する話題が増えています。その時、必ず出てくるのが「地球に優しく」というフレーズ。しかし、どの程度まで地球に優しくすれば人間の生活は守られるのでしょうか?今回のメルマガ『j-fashion journal』では、著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、あえて「地球に対する優しさ」を疑問視する形で検証し、地球保護論の根底にあるものは何なのか、自論を展開しています。

地球に優しいは、人間に優しいのか?

1. 地球を傷つける仕事

地球に優しい仕事を考える前に、地球を傷つける仕事について考えてみよう。大量生産大量販売、大量廃棄は資源を枯渇させ、環境を破壊する。必要な量を作り、消費する。最小限の資源で賄う。人の欲望を肥大させることも避けなければならない。欲望を肥大させるのではなく、むしろ欲望を鎮めること。自分の内面を磨き、成長させること。モノに価値を置くのではなく、心や精神に価値を置くことだ。

これまでの資本主義、市場主義的な思想は欲望を煽り、必要以上の資源を使い、環境を破壊し、格差を引き起こす。これを本気で否定するならば、世界各国は社会主義的な政策にシフトしていかなければならない。そして、企業や個人も格差を解消する方向に進まなければならない。その基盤となるのは、宗教や芸術、文化を中心にしたライフスタイルである。

2. 地球に負担をかけない生活

地球から搾取するのではなく、地球と共に育てたモノを消費する。農業も必要以上の農薬や肥料は使わないこと。大型農業よりも、自給自足のような試みが求められるのではないか。動物性タンパク質の摂取も、生態系ピラミッドの上位の哺乳類だけではなく、下位の昆虫やプランクトン、小魚、木の実、きのこ、山菜など、幅広く行うべきだし、それらを美味しく調理する技術も求められている。

住居も必要以上に広い家ではなく、最低限の家と、菜園などにも使える庭を組み合わせた、自給自足生活を支援するような住宅が望まれる。芸術、アートの分野は、重要な職業になる。経済的な満足だけではなく、最低限の資源で付加価値の高い作品を創造することは、最も高貴な職業と認識されるべきである。

3. 欲望が希薄で支配されやすい人間

地球に優しい生活を徹底するには、資本主義体制では実現困難だろう。人間の欲望をコントロールすることは、支配する側には好都合だ。欲望が希薄で従順な人々、家畜のような人間は支配しやすい。

そもそも「地球に優しい」という表現は矛盾している。地球そのものは二酸化炭素が増えても、温暖化が進んでも困らない。人間という種が滅びても、それは自然のリズムに過ぎない。困るのは、地球ではなくて、人間である。人間が地球を汚し過ぎて、人間そのものが危機に瀕しているのだ。

環境に優しい人間が、支配されやすい人間になったのでは、それは人間に優しい社会とは言えない。共産主義国家は、一部のリッチな支配階級と、大多数の貧しい民衆を生み出してきたことを我々は知っている。確かに、大多数が貧しい生活になれば、環境に優しくなるかもしれない。そう考えると、過度な環境志向は、過度な共産主義を礼賛することにつながるだろう。

4. 温暖化か、寒冷化か?

さて、人間の欲望を認め、競争によって経済を活性化する民主的な社会を望むのか。それとも、社会主義的、共産主義的な全体主義を望むのか。環境に優しい、地球に優しいというスローガンは、限りなく美しい。しかし、正義そのものであるからこそ、一抹の不安を感じるのである。

いずれにしても、我々は現在の経済体制、国家体制を維持しながら、資本主義の矛盾を抱えながら、社会主義的な思想に魅了されていくのではないか。地球に優しいというキーワードは、全ての経済活動を制限する怖さも併せ持っている。

地球温暖化も、本当に二酸化炭素の増加だけに起因しているのか、を検証しなければならない。別の学説では、地球は寒冷化に向かっているともいう。いずれにしても、地球環境を意識することが、ビジネスの条件になることは間違いないだろう。

編集後記「締めの都々逸」

「地球に優しく 人にも優し それを狙うは怖い人」

地球に優しいというのは、人間に優しい地球を維持するという意味。「人間に優しい」という基本を忘れると、人間に辛い社会が到来しそうで怖くなります。これを利用しようという人もいるでしょうね。

少し猥雑で、少し不潔で、少し不純。そんな余裕のある社会が良いのかもしれません。そんなことをいうと炎上するのかな。そういうのも怖いですね。(坂口昌章)

image by:nmedia/Shutterstock

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