小学6年生の女子児童がツイッターで35歳の男に誘われ監禁された事件は、しばらく日本中を席巻しました。これをきっかけに、子供の防犯対策をあらためて見直した家庭も多いのではないでしょうか。メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さんは、誘拐犯の盲点を突くあのアイテムを一層効果的な防犯対策グッズとして使いこなす方法を、具体的に説明してくれています。
子どもを誘拐から守る効果的な方法
Q. 小6女児誘拐に関する永江様のブログを拝見しました。恥ずかしながらTwitterが13歳未満は禁止されていることを知りませんでしたこれからはSNS対策をしっかり指導していこうと思います。
質問ですが、その他に子どもを守るために有効な手段はどんなことが挙げられるでしょうか。一つの手段として、子どもが行方不明になってしまう事態に備えてGPSを利用することを検討しています。しかしながら、検索するとケータイやGPS単独の商品はたくさん出てきますが、どれもいかにもGPSといった見た目で、私が犯人だったらバッグや時計やケータイと共に真っ先に没収すると思います。
より小型のGPSをポケットに入れておく手段はどうかなと思ったのですが、本来浮気対策などで短期使用することを想定しているようであまり現実的ではないのかなと思いました。GPSは諦めて他の手段を探したほうが賢明でしょうか?
永江さんからの回答
GPSは子どもに持たせていた方が良いと思います。少なくとも最後にどこにいたかが分かりますから。例えばキャリア対応のApple Watchなら追跡もできるし良いですよ。まさか犯人も腕時計にGPS機能が付いているとは思わないでしょう。ただし充電が1日しか持たないという問題はあります。ドコモから発売されているGPS BoTもおすすめです。
サイズは大きさが5センチ×5センチ、重さは46グラムと、子供にとってもそれほど負担ではありません。これをカバンのファスナーが付いている内ポケットの隅に常時忍ばせておくのです。
たとえ犯人が携帯を1つ取り上げたとしても、まさかこんなのを持っているとは思わないはずです。バッテリーの限界は1~4日なので、やはり毎日の充電は必須です。月々480円の費用はかかりますが、子供の命を守るためなら安いものです。このようなGPSトラッカーは防犯対策、特に誘拐や連れ去りの危機管理対策として向いています。
他に安い方法として、データSIMやパケットSIMなどの格安SIMを入れた携帯を防犯用に持たせるのも良いでしょう。Androidなら子どもが持つにも安心な小さい種類がありますので、それをキッズケータイとは別にカバンに入れておきます。犯人もまさか2個も携帯を持っているとは想定していないはずなので、これならメインの携帯を一つ捨てられたとしてもなんとかなります。
大事なことは、お母さんが「こまめに充電して毎朝忘れずに子供のカバンの中にしまう」、これを習慣化することです。うっかり忘れてしまった時に何かあったら、後悔してもしきれません。ただし、このように親がちゃんと注意して対策を取ることが功を奏すのは、子どもが小さい時に限られます。小学校3、4年生になって自分の意思で家を出て行ってしまうケースでは、自らGPSを外してしまうでしょう。そうなると、親がどれだけ手を打ったとしてもどうしようもありません。
GPSなどのハード面の対策も大事ですが、それでは守り切れない年頃になったら自分の子供を毎日よく見てちょっとした変化を見逃さない、という心配りが最大の親の務めだと思います。様子が変だなと思ったら、きちんと子供と向き合って話をすることが大切な子どもを守る最善の策となるでしょう。
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