北海道電力は24日、泊原発電所(後志管内泊村)内の施設から放出している排気ガスに含まれる放射性物質の放出量を、1988年の試運転開始時から31年にわたり誤まって報告していたと朝日新聞、北海道新聞などが報じている。原因は算定ミスで、実際は報告した数値の約2倍の量を放出していたという。
泊原発、放射性物質放出量を31年間過小報告 北海道電 https://t.co/vPNytZMpk8
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) December 24, 2019
放出量の算定ミス
算定ミスを31年間も続けていたのは、泊原発電所の原発敷地内にある放射性廃棄物の処理施設。放射線管理区域内で使用された防護服や布などを燃やす場所である。配管防止の腐食防止のために、排ガスを空気で2分の1程度に薄めていたが、それを考慮せず放出量を算出していた。
昨年12月にも別の問題が発覚
泊原発電所は9年9ヵ月にわたり3号機の非常用ディーゼル発電機の配線に接続不良があり、昨年12月に保安規定違反と認定されていた。
保安規定違反に当たる可能性も
北海道電によると、「保安規定で定められた目標値の数万〜数百万分の1で環境への影響はない」とのこと。しかし、原子力規制庁は、原発の運用ルールを定めた保安規定違反に当たる可能性もあるとして調査を進める方針を示している。現在、泊原発電所は停止中である。
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