【発想術】「胃に負担がかかる」時期に「胃にやさしいメニュー」は提供するな

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余裕のある時に余裕のある訴求を

ビジネス発想源 Special第224号(2015年1月10日号)

★第一三共ヘルスケアが2014年12月に全国の20~49歳の男性500人に対して行なった「胃」の調子に関する調査。

▼ストレスや飲み過ぎで、胃に負担がかかると思う月は?
1位:12月 48.4%
2位:1月 18.0%
3位:4月 7.5%
4位:3月 6.6%
5位:8月 6.2%
6位:5月 2.7%
7位:6月 6.2%

年末年始は忘年会シーズン、帰省中の暴食などがあり、12月や1月が胃に負担がかかっていると思っている人が大半です。また、送別会や歓迎会などが行なわれる3月、4月もそれに継いで多いという結果になってます。

ということは、「年末年始は胃に負担がかかるので、こういう時に胃に優しいメニューを提供しよう!」と考えると、意外に失敗します。なぜなら、この調査で分かるようにみんな「胃に負担がかかる」と分かっていながら、やっぱりその時期はそれでいいと思うから。

だから、「胃をもっと大事にしてあげましょう」という優しさはそれ以外の時期で提供してあげるのが上策。例えば11月とか2月とか、「これからはどうしても胃に負担がかかるので、それに備えて」という感じで訴えるのが一番自然で分かりやすくなるでしょう。

やっぱり、忘年会や新年会、歓迎会の類は、会社やグループのみんなで盛り上がることなので、自分一人が「胃に優しくないんで」なんて断るわけにもいかず、ここで商品提供側が主張してもしょうがないのです。

そういうライフサイクルに強引に切り込まなくても、余裕のある時に余裕のある訴求をするのです。そうすれば、「七草がゆ」のような需要が2月とか11月とかにも新たに産まれるかもしれません。

 

ビジネス発想源 Special第224号(2015年1月10日号)
著者/弘中 勝
読者数10万人のメールマガジン『ビジネス発想源』の著者。全国の企業にマーケティングを指導している。研修・講演等実績多数。著書に『会社の絞め殺し学』(祥伝社)、『アイデアひらめくビジネス発想源』(技術評論社)、『顧客と語らえ!』(現代書林)など。
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