【書評】何を食べても良い。痩せたいなら空腹の時間を増やせ

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ダイエットで平成を振り返ってみるのもおもしろい。りんごダイエット、痩せる海藻石鹸、バランスボール、黒酢ダイエット、乗馬型のフィットネス器具、ビリーズブートキャンプ、朝バナナダイエット、ロングブレス、糖質制限…「あったあった」と懐かしむ人も多いのでは?そして、現在流行しているダイエット方法が「断食」。半日の断食や一週間に一度まる一日断食をするなど、さまざまな方法が提唱されています。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんがレビューしているのは「半日断食」の方法を記した一冊。食事内容ではなく、空腹の時間を増やすことが健康になるというお話。果たして、試す価値をあるのでしょうか?

偏屈BOOK案内:青木厚『「空腹」こそ最強のクスリ』

810A4uOno+L「空腹」こそ最強のクスリ
青木厚 著/アスコム

あっというまに完読。だって、章題で1ページ使い、本文は改行が多いうえ、行間スカスカの組版で、ページの天地左右の白地が多すぎ。大事なところはポイントを上げたゴシック。読みやすいというより、読みやす過ぎるというより、普通に組んだら半分以下のページで楽々収まるんじゃないかと思う水増し体裁。まあ、年寄りにやさしい組版といえなくもないが、情報量はあまり多くない。

タイトル通りのシングル・イシューである。カバーの折り返しにセールスポイントが記されている。

最新医学エビデンスに基づく本当に正しい食事法は、「何を食べるか」ではなく「食べない時間を増やす」たったこれだけだった。睡眠時間を合わせて「1日16時間は食べない」だけで、細胞内の悪いタンパク質や感染症を引き起こす病原菌が掃除され、全身の細胞がみるみる修復!この方法なら、炭水化物も、脂肪も好きなだけ食べても問題ない!空腹パワーであらゆる不調を撃退しよう!

最近の医学エビデンスは「食べものの内容を制限する」ことよりも「食べない時間を増やす」ことに、より注目が集まっている、のだそうだ。だから「1日16時間は食べない」だって。平日は朝軽めの食事、夜21時ごろ普通の夕食(1日2食)。休日は朝昼抜き、夕食のみ。

著者は内分泌代謝や糖尿病を専門とする医師で、さいたま市でクリニックを経営している。さまざまな経験を踏まえて考え出した「究極の食事法」がこれだという。「食べ過ぎは疲れやだるさの原因になるだけでなく、糖尿病や高脂血症などの動脈硬化性疾患、脳出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患、そしてがんの原因ともなるのです」。医師にそう断言されるとこわい。

糖質の摂りすぎによる最大の問題は、「糖質が血糖値を急上昇させる」点にあり、さまざまな病気にかかるリスクが高まる。そこで先生は、血糖値が下がり、脂肪が分解され、細胞が生まれ変わる方法として「ものを食べない〈空腹の時間〉を作る」ことをすすめる。さまざまな「身体のリセット効果」が期待できて(とりあえず省略)まさに「空腹は最高のクスリ」なのだという。

しかも、難しく面倒なカロリー計算は不要だ。空腹の時間以外は何を食べてもいい。空腹の時間中であっても、どうしても腹が空いた場合はナッツ類などであれば、いくら食べてもいい。連続して16時間以上の空腹の時間が必要だが、睡眠時間をうまく組み込めば、無理なく実行できるという。毎日続けるのが理想的だが、週一回、週末だけの実行でもリセット効果は得られるようだ。

先生も空腹の時間を作っている。平日は朝7時起床、軽めの朝食(ゆで卵と生野菜程度)、21時頃普通の夕食をとる。その間はものを食べない。ナッツ類を食べることもある。休日は、起床後、朝食と昼食はなし、夕食のみ。本人もかつては「食べ過ぎ」「糖質の摂り過ぎ」でメタボ体型だった。医者なのに。最大で78cmだったウエストは70cmになり、今も絶好調が続いているようだ。

「一日3食しっかり食べる」VS「空腹な時間を作る」、どちらが長寿と健康をもたらすか、医師の“人体実験”では「空腹」の勝ち。無理なく「空腹」を作り、身体を蘇らせる食事法がこれ。「糖」がもたらす毒を「空腹」というクスリで取り除く。これ、いいかもしれない。試す価値はありそうだ。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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