トレーニング開始当初はカラダがどんどん変化して楽しくて仕方がない筋トレも、必ずどこかで「停滞期」と呼ばれ、変化が感じられずモチベーションも保ちにくい時期がやってくるようです。メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』著者の桑原弘樹塾長が、これまで何度も対峙してきた「停滞期」を打開するためのヒントを、さまざまな角度から5つ示してくれました。
週5日トレで進化しない理由
Question
トレーニング歴は15年ほどになりますが、最近は現状維持のみで一向に筋量も筋力もアップしていきません。いつも同じメニューをこなしているという事もあるかと思いますが、何か打開策のアドバイスをお願いします。週に5日はトレーニングをしています。(49歳、男性)
桑原塾長からの回答
トレーニングも始めたての頃は伸びしろが多いこともあって、どんどんと変化が生まれて成果が実感できたかと思います。逆にある程度進んでくると、今度は停滞期を迎えて変化が生まれない自分に苛立ちを覚えることも出てくるでしょう。
これは肉体が進化していくうえでの当然のプロセスですので、決して焦ることなく、しかし新しい刺激を工夫しながら乗り越えてください。私の経験からの幾つかのヒントをご紹介したいと思います。
1.フリーウエイトを見直す
フリーウエイトにこだわり過ぎて、効きが二の次になることがあります。私の場合は、フリーウエイトでのラテラルレイズの効きが悪く、様々な方法を試してきました。
チーティングを使ったヘビーウエイトにしてみたり、逆にストリクトなフォームを目指して座った状態でやってみたり、ドロップセットやインクラインのサイドレイズもやったりしました。いつの間にか、その種目をこなすことが目的となってしまい、効いているか否かを気にしなくなってしまいました。
これまでラテラルレイズはフリーウエイトでという先入観が強かったので、ほとんどマシンを使う事はありませんでしたが、ある時マシンのラテラルレイズを行ったところこれまでに無い効きを実感できたのです。個人的にはあまり好きでなかったノーチラスのエボシリーズのサイドレイズのマシンは非常に効きが良く、今ではほぼマシンを使っています。
もちろん、逆にマシンをフリーウエイトに変えるというパターンもアリで、アームカールなどはマシンの利用を控えて、ストレートバーを使ったプリチャーカールをすることで効きを実感するようになりました。
2.苦手な部位は頻度でボリュームを増やす
分割法でやる場合には、その部位は週に1~2回ということになるかと思います。しかし、もし効きが悪い部位や、苦手な部位があるならば、時としてこの常識を無視して毎回1種目だけでいいので、その部位をやってみることです。元々、効きが悪いから発達しないわけで、もしそうであるならば週に何回というルーティンを守る必然性もないわけです。
以前、上腕二頭筋がどうしても発達しなかったため、どの部位の日も最後には二頭筋のトレーニングをしました。インクラインのダンベルカールであったり、プリチャーカールであったり、マシンを使ったアームカールであったり、その都度内容は違いますが、とにかく最後にアームカールをやるようにしました。
効いていないということは刺激が足りないということでもあるので、頻度によるボリュームを増やすことで刺激を与えるという考え方です。
ちなみに今は、毎回最後にチンニングをしています。頻度を上げて数をこなしていくうちに、不思議と効かせる感覚が分かってきたりもします。
3.まとまった完全休息をとる
週に1日、2日のオフをとられているのだと思いますが、数カ月に1度くらいの頻度で、数日間の完全休息をとるとトレーニングの質がグッとあがることがあります。
私も年間300回のワークアウトを標ぼうしているだけに、どうしてもまとまったオフはとれません(とろうとしません)。万が一の事態に備えて、なるべくトレーニングの回数をこなしておきたいと思ってしまうからです。
しかし、毎年12月になると回数の貯金も出来て余裕が生まれるので、そこでまとめて一週間弱ほどの完全休息をとるようにしています。その後、年始スタートだと少し乗り遅れ感がでるので、年末スタートの感覚で一年のトレーニングを始めるようにしています。
もしこういった休息を年に数回とれたら、きっとトレーニングの質はもっとあがるだろうなといつも感じています(実践できていませんが)。
4.サプリメントを活用する
既にされているかもしれませんが、やはりサプリメントは効果的です。トレーニング後のプロテインと糖質(MD)、トレーニング中のBCAAとCCD、朝食後のプロテインくらいは最低でも押さえておきたい感じです。年齢的に疲労感が課題の場合は、エキストラアミノアシッドも就寝前に飲むといいです。
サプリメントではありませんが、夜以外のタイミングで白米などのカーボを少しプラスαとして取り入れるのも、バルクアップ的にはお勧めです。
5.ライバルを見つける
ミスターユニバースの杉田会長の現役時代のトレーニングは、もう漫画といってもいいくらいの内容でした。スポコン漫画でも書けないくらいのボリュームと強度なのですが、何故それほどのトレーニングが出来たのかを会長に尋ねたところ、当時は重村会長や宮畑会長といった意識すべきライバルがいたからだとおっしゃっています。
きっとライバルはもっとやっているだろうという意識から、どこまでやっても満足できなかったそうです。元来の負けず嫌いという性格も手伝ってかと思いますが、自分との比較対象を見つけるのは間違いなく有効です。
ただ、最終的には対ライバルではなく、対自分という世界観の中でトレーニングをしていけるようになるといいなと思います。
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