トランプ激怒。アメリカを裏切り中国を選んだイギリスの暗い明日

 

イギリス裏切りの影響は?

イギリス裏切りの影響をみてみましょう。米中覇権戦争の観点からすると、イギリスの裏切りで、アメリカは「ファーウェイ戦争」で負ける可能性が高まります。2015年3月のAIIB事件の時もそうでした。イギリスがまず裏切り、中国主導AIIBに入った。そして他の親米諸国は、「イギリスが裏切っても大丈夫なら俺たちが裏切っても大丈夫だろう!」と後につづいた。今回も、「イギリスがファーウェイを入れるなら、俺たちが入れても大丈夫だろう」となる可能性が高い。

とはいえ、アメリカが「ファーウェイ戦争」で負けるのは、「戦略的敗北」ではなく、「戦術的敗北」です。これで、「米中覇権戦争で中国の勝利が確定」といった話にはなりません。

イギリス自身にとっては、どうでしょうか?私の感想は、「バカな決断をしたな~」です。もちろん、イギリスの決断が「中国を有利にする」という理由もあります。しかし、イギリス自身の話。この国は、1月31日にEUを離脱したばかりでしょう。それで、これからいろいろな国と、「貿易ルール」に関する交渉をしていかなければならない。アメリカを裏切って、「アメリカとお得な貿易ルールをきめよう」としても、うまくいかないでしょう。

image by: John Gomez / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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