「桜」前夜祭の答弁に読売以外は引導「安倍首相もう詰んでいる」

 

決定的なホテル側回答内容

【毎日】は1面トップと5面6面の関連記事。5面には社説も。見出しから。

(1面)
「桜」前夜祭 答弁矛盾
首相「個別案件は営業の秘密」
ホテル「伝えた事実ない」
国会紛糾 野党反発

(5面)
ANAホテル「もう使わず」
自民議員恨み節
首相答弁に食い違い
このままでは信用できぬ(社説)

(6面)
桜名簿白塗り「脱法」
政府「新たな文書作成」に専門家
「作成過程明記 職員の義務」

記事の特徴は、首相側とホテル側の発言内容を比較する表の中に、「毎日新聞への回答」が2項目キチンと入っている点だ。1つは、明細書を出している点についてで、ホテル側が「例外はない」と明言したこと。2つ目は「野党には一般論として答えた」とともに、首相側に対して「営業の秘密に関わるため個別案件は回答に含まれない」と伝えた事実はないということだ。

uttiiの眼

毎日新聞への回答である上記2点は、「首相の嘘」を決定づけるポイント。《毎日》はこの2点を目立たせるよう、2点の背景だけを黄色で塗りつぶしている。うまい工夫だ。

5面の記事はベタ記事だが、自民党議員(名は伏せてある)が、ANAホテルの対応に不満を表明し、「もう使わない」と恨み節を吐いているとの記事。この手の記事は取材しなくても書けそうに見えてしまうので、議員の名はチャンと明かすべきだろう。

言い逃れはもう無理

【東京】は1面トップを解説記事「核心」の扱いにするという珍しい編集。関連で5面に社説。見出しから。

(1面)
首相の虚偽答弁か ホテル例外措置か
桜懇親会明細書巡る説明 真逆
「うそを延々と」野党 首相批判

(5面・社説)
首相懇親会疑惑
言い逃れはもう無理だ

見出しの「首相の虚偽答弁か」が伝えるべき最も重要な点に位置づけられている。記事の特徴としては、自民党内からも総理の説明が求められているとして、「多くの方に分かってもらえるよう、説明を尽くすことが基本」という、鈴木俊一総務会長の言葉を拾っている点。

5面社説。見出しに続いて、「会場となったホテルが、従来の首相答弁を否定する見解を野党に示した」として、「言い逃れはもう無理ではないか」と見出しの表現を重ねている。

社説の中では、「誰がどう聞いても、首相の説明には分がない」、「そもそも、最大800人もの宴会が参加者との個人契約で行われる訳がない」とし、「宴会の日時を予約し、料理や料金を確認する幹事が店との契約者になる」という民法専門家の解説を引き、したがってこれは政治資金規正法や公職選挙法違反に問われる事案になるとしている。

uttiiの眼

昨日は少し控えめな記事だったが、きょうは解き放たれたように生き生きとしている。文字通り、「言い逃れはもう無理だ」と安倍氏に引導を渡す記事及び社説になっている。

image by: Drop of Light / shutterstock

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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