TOKYO FMは、未来授業をこうも説明する。「真のグローバル化とは『均質化』を目指すものでは決してありません。多様な価値観=ダイバーシティを認め、新しい価値観を生み出していくには、自由自在の発想で既存の垣根や壁を乗り越えていくことが求められます。知性、感性、野性、若い世代の3つのセンスを刺激し、グローバル化の中で自らの立ち位置、足元を見つめながら、自らのこととして思考、ここを起点として自らイノベーションを起こすように触発する。大学の講義では決して体験できない特別授業」。
つまり「グローバル」の中で「ダイバーシティ」を認め「イノベーション」を起こす、とのフローを示しているのは、時代のトレンドのようで非常にスタイリッシュではある。
一方で現場に立つと「ノーマライゼーション」「ダイバーシティ」「インクルージョン」の実現には、それを心から欲する当事者たちがおり、その切実な声があるから、行動としてはわりと泥臭い対話の繰り返しとなる。このイメージと作業の間は結構ギャップがある。
前述の3つの言葉も社会では「福祉」なのかもしれないが、本当の授業はここから始まる。それは、「福祉とは何でしょうか?」という問いである。
さらに未来授業は自らを「日本や世界を舞台に第一線で活躍し、時代の礎を築いている『知の先達』による公開授業」により「彼らがこれまで培ってきた豊かな知見に基づき、専門領域に即した具体的なテーマのもと、大学生との対話型討論を通じて、『知的エンターテインメント』としての場を提供します」とある。
若者がその豊かな感受性で福祉という言葉を既存の領域や枠組みで語るのではなく、新しい社会におけるあらゆる人との関係性の中で、要支援者に対する行動を考え、普通の関わりあいを普通に考えられれば、未来授業は素敵な存在になるはず。
私が東日本大震災の風化を防ぐために被災者らへのインタビューをラジオ放送した時、番組のタイトルは「未来へのかけはし」だった。3月11日の震災の日も近づいてきたことも相まって、今年は「未来」を意識しながら自分の責任を果たしたいとの思いを強くする。
「未来授業」はこちらからインターネットで聴けますのでお気軽にどうぞ。
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